こんにちは。まさおです。
最近何かと話題になっている、東京都立高校の男女別定員制について、今度は弁護士が違憲であるとの意見書を出しました。
今回のテーマは「都立高校男女別定員は違憲であると弁護士が意見書」です。
弁護士による意見書提出の概要
今回意見書を提出したのは、「都立高校入試のジェンダー平等を求める弁護士の会」だそうです。ニュースの詳細は以下のリンクから確認をしてください。
この記事の中では、都立高校の男女別定員について
・能力に基づく選抜の否定で学力試験の体をなしていない
・許されない性差別である
・女性の方が高い点数を取らねばらなないとわかりながら今に至っている
・医学部入試の女性差別と根を同じくする問題
といった意見がて解されています。
さすがに「医学部入試の女性差別」と根を同じくする問題というのは、相当強引な議論と言わざるを得ません。
医学部入試における女性差別は、意図的に女性を合格させないための動きを取っていたのであって、都立高校の男女別定員制とは全く違うと思います。
もし、都立高校が男女別定員制を取っておらず、男女同数の募集をしているように見せておきながら、裏で合否判定時に女子のボーダーを高くしていたら根は同じと言ってよいでしょう。
都立高校はもともと男子は何名、女子は何名と定員を事前に告知し、その定員になるように男女それぞれの合否判定を行っているわけですから合格者の判定プロセスとしては公正と考えるのが妥当と思います。
問題の本質は、男子と女子の定員を分けていること自体なのであって、合否判定のプロセスの話ではないと考えるべきです。
この弁護士の先生たちは、女子が不利になること自体がジェンダー不平等ということでかなり意識高く動いているようです。求めていること自体は間違っていないと思いますが、論調は少しバランスに欠けた議論にも見えますね。
男女別定員撤廃で一時的に都立高校に女子が増える
今回の要望通り、男女別定員が撤廃されたらどうなるのでしょうか。
過去の記事にも書いたと思いますが、2段階プロセスで男女のバランス調整が入ると思います。
【第1段階】女子の人数が一時的に増える
撤廃直後は、女子のボーダーが下がり、男子のボーダーが上がることになるわけですから、女子の合格者が増えて、男子の不合格者が増えます。
都立に不合格になれば私立高校に行くしかないわけですから、女子の私立高校進学者は減り、男子の私立高校進学者は増えるでしょう。
一方で、都内私立高校は女子校の方が定員枠が多いため、私立の女子高校は入学者定員を満たさない学校が増える可能性もあります。
今回の弁護士の先生方は、私立高校への配慮は不要というスタンスですので、都立・私立の共存手段としての定員調整はあまり意味がないというスタンスのようです。
埼玉なども公立高校都私立高校の募集定員の比率というのが決まっていますが、男女の比率までは決めていません。共学が多い埼玉であればそのような配慮は不要かもしれませんが、都内私立高校では少し困る学校が出てくる可能性があります。
【第2段階】模試会社がボーダーラインを公表し翌年以降調整が入る
女子が増えるのは最初の1年です。2年目以降は模試会社がボーダーラインの分析をして、模擬試験場の合否ラインをはっきり出してくると思います。
これにより、前年までチャレンジしていた男子が他校に志願先を変えるという動きになるため、2年目以降は1年目に比べて男女の応募者のレベルが似通ってくるはずです。
よほど女子に人気の学校でない限りは、男女の合格ラインが近づくことで1年目に比べると定員バランスは取れてくるはずです。
一方で、最下位校レベルになると、男子ばかりの学校が出てくるはずです。
女子の方が総じて内申点が高いため、最後に男子ばかりが残ってしまう構図になります。
時代の流れ的には平等な合否判定を性別を問わずに実施するのが正しいと思います。一方で、部活動を男女別で行うなど、性差を正しくとらえた方が多くの人が過ごしやすい局面もあります。LGBTQの方々への配慮とともに、どういう環境が全ての人にとって過ごしやすい環境なのかを学校ぐるみで議論する必要がある時期に来ていると思います。
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