
9/24、東京都教育委員会は令和4年度都立高校入試要綱を発表しました。
主な変更点と背景を確認してきます。
今回のテーマは「令和4年度都立高校入試要綱のポイント」です。
◆男女別定員緩和策の推進
⇒令和4年度入試では男女合同選抜枠10%を持つ学校を42校から109校に拡大
⇒これにより実質65校(59%)が男女別定員廃止と同じ状態になる
◆出願書類の提出を学校からではなく志願者が直接郵送する方式へ
⇒コロナ禍による休校や出席停止、感染リスク等を考えると学校からの書類提出はリスク
⇒学校からの提出漏れによる訴訟などもあり、各家庭が管理する体制が望ましい
令和4年度都立高校入試実施要綱の内容
まずは令和4年度都立高校入試の実施要綱を確認してみましょう。
令和4年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目について
入試日程はおおむね前年通り
入試日程は以下の通りです。追検査の実施日が前年より1日早くなり、3月9日になりました。卒業氏の日程との絡みと思われます。
区分 | 入学願書受付日 | 検査実施日 | 合格発表日 |
---|---|---|---|
推薦に基づく選抜 | 1月12日(水)~17日(月) 郵送 | 1月26日(水) 27日(木) ※原則として26日で実施 | 2月2日(水) |
第一次募集及び 分割前期募集 | 1月31日(月)~2月4日(金) 郵送 | 2月21日(月) | 3月 1日(火) |
分割後期募集及び 全日制第二次募集 (インフルエンザ等 追検査) | 3月 4日(金) | 3月 9日(水) | 3月15日(火) |
定時制第二次募集 | 3月22日(火) | 3月25日(金) | 3月28日(月) |
主な変更点
主な変更点として、以下の3点を挙げています。
項目 | 内容 |
---|---|
(1)出願手続(入学願書等提出方法) | ・推薦に基づく選抜及び第一次募集・分割前期募集(チャレンジスクール及び定時制課程単位制の選抜を含む。)において、入学願書は原則として中学校が取りまとめ郵送により提出することとしていたが、志願者が郵送により提出する方法に変更する。 ・インターネットを活用した出願を、1校から20校に拡大して試行実施する。 |
(2)推薦に基づく選抜 | ・推薦に基づく選抜として、新たに「理数等特別推薦」を設け、実施する。 理数等特別推薦では、科学技術の根底にある理数系分野の素養を前提に、探究の過程を通して、課題を解決する力や、他者の考えから自分の考えを深めるとともに、新しい価値を生み出す創造性など、変化し続ける社会にあって生徒たちに必要となる力を評価し、選抜を行う。 ※ 令和4年度入学者選抜では、立川高等学校創造理数科において実施 ・農業に関する学科、商業に関する学科及び産業科において、推薦に基づく選抜の対象人員枠を、募集人員の40%以内(従前は30%以内)に変更する。 |
(3)海外帰国生徒等対象の選抜 | ・応募資格に関し、これまでは、保護者が父母である場合は父母の双方に伴って海外に一定期間在住したことを要件としていたが、これを改め、原則として父母のどちらか一方でもよいこととする。 |
男女合同選抜枠の拡大
上記変更点とは別に、今後の施策として男女合同選抜枠の拡大について言及しています。
- 令和4年度においては、男女合同選抜枠10%の導入校を令和3年度の42校から109校(対象全校)に拡大する。
- シミュレーション上は、65校(59%)が実質男女合同定員と同等の合格者となる見込み
- 今後、合同定員枠の割合を現行の10%から20%に拡大する(時期未定)。
- 20%枠に拡大すると93校(85%)が実質男女合同テインと同等の合格者となる見込み
- 最終的に全校男女合同定員に移行

男女別合同定員は拙速にならず、少しずつ拡大をしてその影響を見ていく対応となっています。別の記事でも説明しましたが、男女別定員の緩和は時代の要請ではあるものの、これの実施によって一定数の男子が不合格になり、私立高校にはその受け皿がありません。その落ち着きどころをどう調整するかの見極めが必要になってくると思います。
願書は志願者が郵送提出する方式に
注意が必要なこととして、願書提出が挙げられます。
コロナ禍でそれまで持参していた願書も、郵送による提出が一般化しました。一方で、学校がまとめて郵送する場合に提出漏れやご提出のリスクがどうしてもついて回ります。
安全に確実に受検を進めるためには、保護者が自分の子供の願書を確実に提出する方が安全だと思います。
一部対応が難しい家庭があるかもしれませんが、そこは学校側が適宜フォローするなどの対応をすることが肝要です。
【参考】願書提出漏れなどの事故
ネット上で確認できる願書提出漏れの事故をいくつか挙げておきます。




入試を安心して受けるには事務処理の正しい理解と確実な実施が求められます。学校や塾がきちんとサポートして正しく対応できるようにフォローしていくとよいでしょう。
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