こんにちは。まさおです。
10/29、北海道教育委員会は令和4年度以降の道立高校入試の変更点等をまとめて公表しました。①入試の概要、②リーフレット、③思考力・判断力・表現力等を見る問題の例、④A3版解答用紙サンプルの4種類です。
今回はこの「北海道立高校の新入試の内容」について紹介します。
北海道教育委員会公表の新入試情報
最初に北海道教育委員会の発表した情報を確認しておきましょう。
上のリンクのWebサイトの下の方に「令和4年度以降入学者選抜について」というコーナーがあり、そこに説明資料一式がアップされています。
要点は以下の通りです。
これまで上位校で行われていた「学校裁量問題」を廃止し、全ての生徒に同一問題を課すという対応を取っています。
背景として、新学習指導要領の「思考力・判断力・表現力」を問う問題を出題するためには、上位校を別枠とした現在の枠組みでは問題セットが作りづらかったということがありそうです。
また、新指導要領対応問題を出題するために、
・試験時間を45分から50分に延長
・配点を60点満点から100点満点に変更
・英語のリスニングを重視し、25%から30~35%へ出題率を拡大
・解答用紙をより記述がしやすいA3判に変更
といった各種変更を取り入れています。
入試の改善の趣旨はよく理解できますが、明らかに「全体の入試問題を難化させますよ」というメッセージに見えてしまいますね。指導要領が明らかに難化せざるを得ない内容なのでやむを得ないのでしょうが、初年度にどんな問題が出るのか、令和4年度入試は注目する必要があります。
受験生はサンプル問題を見て準備を
北海道の中学3年生は過去問もない中新しい入試制度に突入するので、対策の仕方もわからず大変不安だと思います。
入試変更初年度は慌てず基礎固めが大事
今回の発表された「思考力・判断力・表現力等を見る問題の例」を見ると、過去問の中からサンプル問題が出題されていることがわかります。
新しい入試問題のセットが作成されることにはなりますが、ここに出されている標準問題中心のサンプルをきちんと解いて、このタイプの問題の出題割合が少し増えることを念頭に過去問をきちんと解いておくことで対応が可能だと思います。
大きな入試変更が行われる初年度は受験生がどうしても浮足立ってしまうのですが、合格をする生徒が大きく変わることはなく、実力のある生徒からきちんと合格するようになっています。
合否を左右するのは、目新しいタイプの問題を解く力ではなく、確実に得点すべき基礎的な問題を漏れなく得点する力です。
まずは旧来の過去問で確実に目標校の合格ラインに届く力をつけ、加えてサンプル問題を見て対応を練っておくことが大事です。
ちなみに、受験生はA3サイズの解答用紙の練習もきちんとしておくべきです。
B4からA3へのサイズ変更は意外と机が狭く感じたり、慣れるまで違和感を感じて落ち着かないという受験生が多いです。
入試で合格するポイントは他の受験生が得点する正答率の高い問題を落とさないことです。正答率の低い問題はどうしても落とす可能性がありますから、そこは取ったり取らなかったりになる前提であまり振り回されないことが大事です。
採点ミスが最大の懸念材料
上記のような変更点をまとめて入れる令和4年度入試ですが、最大の懸念点は採点ミスだと思います。
ここ数年の入試全体の傾向として、記述問題の採点体制が確立されていない自治体で採点ミス発覚⇒謝罪⇒追加合格というケースが相次いでいます。
今回の北海道の解答用紙のサイズ拡大も記述問題の量的拡大が背景にあると思われますが、サイズ拡大だけでなく採点者の精度の高い採点基準の運用が求められる変更でもあります。
記述問題の採点基準の準備のみならず、採点しながらの基準変更や採点後の相互チェック体制など、受験生の準備に報いる採点体制で臨んでもらいたいと思います。
いかがでしたか?
事前にきちんと情報を得て準備をしておけば、恐るるに足らずの内容ですが、初見だと不安になるような大きな変更点です。1つ1つの変更点に冷静に向き合うことでおのずと何をすべきかは見えてくると思います。
まずは冷静に向き合うことが大事です。頑張りましょう!
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