こんにちは。まさおです。
12/2、特定NPO法人「みんなのコード」は「プログラミング教育実態調査」の結果を公表しました。小中学校教員2,400名、子ども・保護者3,000組へのアンケート調査です。
報告書も膨大なので、一度にすべては紹介できませんが、一部ポイントを絞って取り上げたいと思います。
今回のテーマは「プログラミング教育が進まない理由は?」です。
みんなのコードが実施したアンケート調査
12/2、特定NPO法人「みんなのコード」は 「プログラミング教育実態調査」の結果を公表しました。
中学校技術分野教員向けのアンケートは、「全日本中学校技術・家庭科研究会」との共同調査となっているとのことです。
自分が知る限り、プログラミング教育に関して、これだけ丁寧にまとめられた調査報告書は初めて見ました。
内容も興味深いものがあるので、小学校の内容から一部抜粋して取り上げたいと思います。
プログラミング教育の実施状況
プログラミング教育は、指導する教員のスキルが一定レベルに達していないと実施が難しく、先行課題としての研修や授業準備があります。
その点もこの報告書では細かく調べてくれていますが、そこは飛ばして、実際の授業を実施した教員がどの程度いるかを見たいと思います。
今年度の実施実は71.5%程度
報告書内の19ページに記述があります。
8割程度の教員が何らかの形でプログラミング教育を実施していることがわかります。
一方で、16.6%の教員はこれまでも今年度中も実施予定がありません。
別アンケートでは低学年のプログラミング教育実施率は2割程度という記述もありましたので担当学年による差が出ていると考えるのが妥当なようです。
算数科総合的な学習の時間で対応
プログラミングを扱う教科については以下の通りです。
算数と総合的な学習の時間がメインとなっています。
機器の導入状況や感染症対策のためにハードウェアの共有を回避した結果導入を見送ったというケースもあったとのことです。
使用教材はビジュアル言語が主流
プログラミング教育を行う際の使用教材についての調査結果は以下の通りです。
各教材の特徴も下に記載しておきました。
- テキスト言語
HTML、Python等、仕事で使われる一般的なプログラミング言語 - ビジュアル言語
Scratch等、画面内で命令文の書かれたブロックを組み合わせてプログラミングを行う教材 - ロボットプログラミング教材
プログラミングで動きを制御できるロボットやロボットカー教材 - アンプラグド
コンピュータを使わず、カードの並び替えや紙面上などでプログラミングの概念を学ぶ教材
ビジュアル言語が47.1%でトップ、次にロボットプログラミング教材が33.9%で2位になっています。
どちらも子供の関心の高さや楽しさという点では納得の採択率だと思いました。
一方で、端末操作に慣れている子供とそうでない子供の差が大きく、この差を埋めるために多くの時間が割かれてしまい、プログラミング教育の本質である論理的思考にたどり着けないという意見もありました。
GIGAスクールで端末導入が進んで、端末利用が前提となったことでプログラミング教育の前提対応として、子供たちが端末利用ができる状況を作らなければならず、ここがボトルネックになっている可能性があります。
プログラミング教育が進まない理由として、GIGAスクール端末の導入が進んだことが挙げられているという皮肉状況がありそうです。
プログラミング教育の本質を、社会人基礎力の前提となる論理的思考や順序だてて考える能力の育成ととらえるなら、端末操作とは分けてカリキュラムを組むべきだと思います。
個人的には、基礎的な思考トレーニングはむしろアンプラグドの方が向いていると思っています。今後、別の記事で取り上げたいと思います。
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