こんにちは。まさおです。
2022年3月1日時点で公立小中高校にデジタル教科書を完全導入している市区町村は46都道府県292に上ります。1年前に比べて導入自治体数は10倍近くになっています。
導入は良いとして果たして上手に使えているのでしょうか?
今回のテーマは「加速するデジタル教科書の導入!使い道は?」です。
文部科学省による調査結果
2022年8月に文部科学省が「令和3年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」を発表しています。
この集計結果について共同通信が報じています。
ポイントは以下の通りです。
- 2022年3月時点で、全公立小中高にデジタル教科書を導入した市区町村は292
- 都道府県で見ると滋賀県を除く46都道府県に導入市区町村があることに。
- 前年3月段階は31字地頼みだったので、1年で約10倍に拡大
- 活用法に悩む教員が多いこともあわせて判明
コロナ禍のGIGAスクール構想もあり、タブレット端末は2020年度から2021年度にかけて一気に拡大しました。
21年度は、配布した端末を活用するうえでも重要なデジタル教科書の普及の年になったということです。
都道府県別別導入率
学校種別デジタル教科書整備状況
都道府県別のデジタル教科書の整備率、指導者用のトップは富山県の99.7%でした。
学習者用のトップは和歌山県の49.1%でした。最低は香川県の19.9%でした。
小5・6と中学生の英語のデジタル教科書は無償配布
全体としてデジタル教科書の導入が急拡大しているわけですが、その背景として、文部科学省が2022年度、全国の小学5・6年生および中学生を対象に、デジタル教科書を無料配信する実証実験を始めたことが挙げられます。
上記の学校種別の学習者用デジタル教科書の導入状況を見ても、
- 小学校…39.9%
- 中学校…41.0%
- 義務教育学校…56.6%
- 高等学校…6.5%
- 中等教育学校…35.3%
となっており、小中学生の普及率が全体を押し上げていることがわかります。
導入は進んだものの指導効果は…?
今回のデジタル教科書の普及は、政治的な施策が背景にあります。
一部の自治体や熱心な学校の先生のリーダーシップによってその活用方法や指導効果を最大化するための研究が進んでいますが、デジタル教科書の普及のスピードに比べれば遅々として進んでいないと考えるのが妥当だと思います。
前述のアンケートでも、以下のような結果が出ています。
項目 | 「できる」「ややできる」 の割合 |
---|---|
A 教材研究・指導の準備・評価・校務などにICTを活用する能力 | 87.5% |
B 授業にICTを活用して指導する能力 | 75.2% |
C 児童生徒のICT活用を指導する能力 | 77.3% |
D 情報活用の基盤となる知識や態度について指導する能力 | 86.0% |
上記の通り、生徒にICTの活用を指導する能力については他の項目に比べて10%近く、「できる」または「ややできる」と回答した教員が少なく出ています。
ICTの利活用について学校の先生もやっと形になってきたレベルでまだまだ先生の能力も高めていかないといけないという状況だと思います。
ICTのツールは研修で知識を増やすよりも実際の授業で使用して経験値を積むことの方が重要です。今回の普及が先生の経験値の底上げを後押ししているならば、来年の3月の調査ではより良い結果が出ると期待できると思います。
まずは、学校の先生の成長に期待してデジタル教科書を使ってみていくことが大事だと思います。
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