こんにちは。まさおです。
12/6、Twitterでつぶやかれた一文から多そう度に発展してしまったマイナビの学歴フィルター問題。その後も余波は続いていて、「学歴フィルターの存在をはっきり認めた方がよい」という声もずいぶん出ているようです。
今回は「学歴フィルターは是か非か」というテーマです。
学歴フィルターは今も存在する
マイナビのメールのタイトルに「大東亜以下⑨」と書かれていたことから始まった「学歴フィルターは今も存在するか」という問題、明言はしないものの基本的には存在しているのが実態だと思います。
学歴フィルターは公表しづらい
上記の記事では、マイナビの「就活ナビ」というサービス自体が、募集企業から掲載料をもらって情報を掲載すること成立している広告ビジネスであると解説しています。
そのため、広告主である各企業の要望に応えるためのグループ化が必要であり、マイナビ側の意図というよりも広告主のニーズにこたえるための措置ととらえるべきという趣旨の記述があります。
ただし、学歴差別を公にするとバッシングを受ける空気が世の中にあるため、明言していないことが多いようです。
かつて首都圏では、東大・東工大・一橋大・早稲田・慶應義塾の5大学は明らかに別待遇をされていました。1段階か2段階は選考ステップが少なかったですし、バブル時代は相当ちやほやされていた記憶があります。
今は、それほど明確に差をつけていないのですが、それは学歴フィルターを隠したというよりも高偏差値大学の学生が必ずしも使える新入社員でないという事実から起こっているものと思います。
ひろゆき氏のツイートも物議
また、ひろゆき氏は以下のようなツイートをしています。
これについては、やはり差別ではないかという意見もそこそこ出ています。
ポイントは、大学名というラベルで本人を見る機会すら与えないという事実があったとすると、そこに不公平感に基づく不快感が漂うということなのだと思います。
今はネットでエントリーする時代なので、1人平均30社程度はエントリーすると言われています。学生が減ったとはいえ、人気企業では膨大な数のエントリーシートを処理するうえで、多少なりとも学生の学力を示唆する大学名を使いたくなるのはある意味やむを得ないといえるかもしれません。
学歴フィルター問題は、大学入試で女子が差別を受けたといった問題と本質的にはつながっているように思います。結局、応募者の知らないところで恣意的な操作が行われていることに対する不快感が本質だと思います。
企業側は自らの責任で新入社員の選抜を行わなければならず、数多の企業の中には学歴を重視したい企業もあるという事実は間違いないと思います。
その場合、その企業はその事実を公表した方がよく、双方合理的に選考が進む体制が今風なのだと思います。
学歴フィルターは一部の企業においては存在しているのは間違いないと思います。
一方ですべての企業が学歴で学生を判断してもいないと思います。
学生側は大学名にコンプレックスを感じずに、自分よりも高偏差値の学生を凌駕する何等かに能力を身につければよいだけとも思います。
学歴頼みの採用は長続きしない
以前ほど学歴を重視しないと言っている企業はなぜ学歴による選考を辞めたのでしょうか。
考えられる理由はいくつかあります。
学歴選抜をしない企業の背景
以下のような背景があるように思います。
- 以前に比べ学閥という概念が薄れたこと
⇒同じ大学の卒業者で上位管理職が構成されていた時代は大学名が重要だった - 大学名が学生の優秀さを表さなくなってきた
⇒基礎学力は高くても、融通が利かなかったり、必ずしも使える社員にならない - 学歴以外の選考方法が充実してきた
⇒SPIなど学生の能力を測る手法が一般化し、大学名を使わずとも優秀な学生を選抜できる
私事ですが、自分の部下にも東大・早慶等々、たくさんいますが、全員が優秀ということはなく、優秀な人材の出現頻度が高偏差値大学の方が高いというレベルだと思います。
たとえば、東大出身者は事務処理能力や分析力では抜群の能力を発揮しますが、人間関係調整力や合意形成力は少し弱いこともあって(上から目線になりがちだし、相手も構えてしまう)、そういう場面にならないところに配置するなど、少し配慮が必要です。
早稲田の学生は相手に合わせて自分の立ち位置や主張の調整もでき比較的いろいろな場面で使いやすいというイメージがありますが、いずれも個人差がある話です。
学歴フィルターは今後減っていくはず
上記のような背景から、学歴を使ったフィルターは少しずつ衰退していくと思います。
応募倍率が200倍も300倍もある企業では、全員に適性検査を受けさせられないでしょうから多少残る可能性もありますが、多くの企業は学歴フィルターをかけていることが明るみになることのリスクも考えた対応をすると思います。
望ましい姿は、大学名でのフィルターではなく、適性検査のスコアを使って大学名を見ずに選考する形です。
適性検査もお金がかかりますから、応募してきた人全員に受験させるわけにもいかないと思いますが、大学4年間で学力的にどう成長したかを見る機会が絶対に必要です。
大学名は高校卒業段階での努力の成果であり、大学4年間の学習の成果が反映されていません。今の時代は、生涯学び続ける人が優秀な人材の基本条件ですから、大学の4年間をどう過ごしてきたかで大学名以上の逆転は当然起こっているはずです。
大学4年間の成長を経た、その学生の現在価値を学歴以外のフィルターで抽出できることが望ましいと思います。
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