【人気の附属校】大学附属高校のメリットとデメリット①

大学附属高校のメリットとデメリット①高校入試
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まさお
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大学入試制度が混乱しているので、大学付属の高校に貼った方が得ですか??
ここ数年、このような質問を受験生の保護者の方から多くいただきます。
大学入試改革の影響もあり、ここ数年大学入試を回避できる「大学附属校」の人気が上がっています。系列の大学に上がれるというメリットがある一方で、大学選択を高校入試の段階で確定させてしまうことにもなるため、冷静な判断が求められます。

今回は「大学附属校のメリット・デメリットその1」として大学附属校の種類と完全附属校の特徴を取り上げます。

大学附属校のメリット・デメリット

◆【メリット】大学入試を回避し系列大学に上がれること
内部進学率がほぼ100%の学校では大学進学まで事実上確定する
⇒大学受験がないため、高校3年間は学校成績だけ意識すれば良い
◆【デメリット】学部選択や内部進学ができなかったときの対応
内部進学ができなかった場合の受験対策がやりづらい
成績次第によっては興味のない学部に行かざるを得ないことも
メリットとデメリットを正しく理解して検討することが重要!!

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附属校にもタイプがある!

大隈講堂

一口に大学附属校と言っても、その内部進学率によってかなり性格が異なります。

内部進学率を3つに区切って性格分けをして考えるとわかりやすいです。

大学付属校の類型
  1. 完全附属校
  2. 準附属校
  3. 進学校的な附属校
まさお
まさお

なんのこっちゃ、という方も多いと思うので、附属校の類型について少し詳しくご紹介します。

1.完全附属校

系列大学への内部進学率がほぼ100%の附属校を『完全附属校』と呼ぶことが多いです。

この場合は、高校入学が事実上の大学入学を意味しますので、自分が行きたい大学であることが前提になります。

【代表例】
早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田実業学校高等部、慶應義塾高校、慶應義塾女子高校、慶應義塾志木高校

まさお
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いわゆる早慶の附属高校は完全附属校と見て間違いありません。最近ですと、芦田愛菜さんが慶應女子に在学していて、大学の学部はどこに??といった話題が出ていましたね。
もちろん、完全附属校でも、一生懸命勉強すれば大学受験をすることも可能です。ただし、いわゆる大学受験用の指導をしていませんので、塾や予備校で受験対策をすることは必須だと思います。

2.準附属校

系列大学への内部進学率が50~90%くらいの附属校を『準附属校と呼ぶことが多いです。

学校の内部で一定の成績をとっていれば系列大学に上がれるのですが、成績が悪いと内部進学枠に入れずに他大学への進学をしなければならないケースが発生します。

最近は、準附属校でも積極的に外部受験をしたいという生徒を他大学に送り出す指導をするところも増えてきました。

【代表例】
中央大学附属高校、青山学院高等部、立教新座高校

早慶のすぐ下に位置する、MARCHと呼ばれる学校群の附属校は準附属に分類されることが多いです。都はいえ、希望してきちんと学校の勉強をしていれば、系列大学に上がれることの方が多いので、附属校の性格はきちんと残っていると考えるべきでしょう。

まさお
まさお

系列大学が、文系学部ばかりだったりすると、高校に入ってからやはり理系に進みたいとなったときに少し苦労することがあります。
早慶の場合は文理どっちに行ってもある程度対応できるのですが、MARCHはすこし制約があるので注意が必要ですね。

3.進学校的な附属校

系列大学への内部進学率が50%未満で、他大進学者の方が多い附属校を『進学校的附属校』と呼ぶことが多いです。

多くの場合は、高校を運営している法人が大学と同じで、一部系列大学への推薦入学の枠を持ってはいるものの、独立した高校として運営されていることが多いのが特徴です。

【代表例】
成蹊高校や國學院高校など

結果的に、系列大学への内部進学者はとても少ないということになります。

まさお
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進学校的な附属校は、大学の名前を考えずに他大学進学指導の内容や進学実績をきちんと見て判断することが重要です。大学の名前に惑わされないということが重要です。
その意味でも、各大学付属校が系列大学への内部進学率をどの程度の枠で持っているかを調べることは非常に重要です。

どの類型の附属校を選ぶべきか

学校の特徴や本人の志望をもとに、大学付属校を選ぶこと射なります。

大学入試を完全に回避したい場合は完全附属を考えるのが基本です。

しかし、完全附属高校は数が少ないため、準附属校の中でも内部進学率が80%を超えているような学校も候補に入れるのが妥当だと思います。

準附属校は事前調査でどの程度の成績を取ると系列大学のどの程度の学部に進学できるかを把握しておく必要があります。

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完全附属校を選ぶ場合の注意事項

早慶附属をはじめとする完全附属校は、高校を卒業できれば系列大学への進学もほぼ保証されます。

一方で、いくつかの注意点がありこれを意識しているかいないかで大学進学に少なからず影響が出てきます。

学部別の進学率を確認しておく

最初に学部別の進学率です。たとえば、早稲田大学の系列3校の学部別の占有率を見てみます。
2022年3月に卒業した生徒の早稲田大学への内部進学率です。

ちなみに早稲田実業は早稲田大学を一般受験して2名合格していますが、今回はそれをカウントしておりません。

学部名早稲田大学
高等学院
早稲田大学
本庄高等学院
早稲田実業
高等部
政治経済110(22.6%)77(22.6%)65(15.6%)
76(15.6%)42(12.4%)33(7.9%)
文化構想22(4.5%)25(7.4%)25(6.0%)
12(2.5%)19(5.6%)20(4.8%)
教育13(2.7%)18(5.3%)60(14.4%)
45(9.2%)36(10.6%)55(13.2%)
基幹理工56(11.5%)29(8.5%)23(5.5%)
創造理工58(11.9%)34(10.0%)23(5.5%)
先端理工32(6.6%)15(4.4%)31(7.4%)
その他50(10.3%)41(12.1%)74(17.7%)
合計474334409
卒業生数487340418
早稲田大学の系列3校の内部進学者数の比較

留意点として、上記は2022年度の学部進学者の占有率であることにご留意ください。学部の進学枠はもっと多い場合もあり、ある年にその学部に進学した生徒がその学部の進学枠の上限ではないこともあります。

その前提で見ても早稲田実業は理工3学部への進学率が低いことが見えますよね。また、教育学部や商学部の進学率は他の附属校に比べて高いという特徴も見て取れます。

早稲田実業は「実業」と名前がついているくらいで、もともと商業高校の流れを汲んでいますから、その名残が今も内部進学率に残っているということなのです。

まさお
まさお

附属校だから内部進学自体は約束されるものの、その行先についてはある程度把握しておく必要があります。もちろん早稲田実業でもトップクラスの成績があれば、希望の学部に入ることは可能です。半分より下の成績の時に選択肢が狭まる可能性があると考えておきましょう。

学校成績で進学先の学部が決まる

つぎに大学附属校の内部進学先の決め方に注意しましょう。

ほとんどの学校は学校成績で優秀な生徒から学部を選択できるようになります。
日大系のように「基礎学力到達度テスト」のような一斉試験の成績(実施は複数回)で決めるところもあるのですが、多くは定期テストの積み上げで決まります

重要なことは、「〇〇学部に行こうと思ったら校内順位で〇位くらいに入っている必要がある」というような感覚を持っておくことです。

これを意識して入学直後から一定の学習を積み上げていけばある程度の希望は叶うと思います。

逆に附属校には入れた解放感から遊びまくって希望の学部に行けないケースもありますので、附属校のデメリットとして注意しておきましょう。

まさお
まさお

他にも附属校のメリット・デメリットは多くあるのですが、次回以降補足させていただきます。
まずは完全附属校の留意点についてご確認ください。

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