こんにちは。まさおです。
5/13、名古屋大学大学院の内田亮教授が、文部科学省にて教師の勤務実態についての調査報告の記者会見を行いました。約半数の教職員が休憩時間が0分であることなど、多くの問題点を指摘しています。
今回は「学校業務に関する調査からわかる問題点」を取り上げます。
内田教授の記者会見内容
5/13、名古屋大学大学院の内田良教授が文部科学省で記者会見を行いました。
「学校の業務関する調査」のデータから改めて教職員の厳しい勤務環境を説明しています。
以下の記事が大変わかりやすくまとめられています。
教師は魅力的だが辞めたいと思う割合
教師は魅力的と思うか | 教師を辞めたいと 思ったことがある | 教師を辞めたいと 思ったことはない |
---|---|---|
とても思う | 52.7% | 47.1% |
どちらかといえば思う | 71.2% | 28.8% |
どちらかといえば思わない | 92.1% | 7.9% |
教師が魅力的だと思う人はその仕事を続けたいと思うはずですが、「とても魅力的と思っている人」でも約半数が「辞めたいと思ったことがある」と回答しています。
魅力的ではあるが労働環境が過酷すぎることを示唆していますね。
週あたりの総時間外業務
「総時間外業務」とは学校内の残業以外に自宅への持ち帰りも含めた総業務時間を指します。
総時間外業務 | 小学校 | 中学校 | 全体 |
---|---|---|---|
0~19時間 | 40.2% | 25.7% | 33.1% |
20~39時間 | 49.0% | 56.3% | 52.5% |
40~59時間 | 10.8% | 18.1% | 14.4% |
1週間平均値 | 24.5時間 | 28.5時間 | 26.4時間 |
1か月換算 | 101.6時間 | 114時間 | 105.6時間 |
総時間外業務で学校外で行っている業務も含めた実態が明らかになりました。
部活動があることもあり、小学校よりは中学校の方が時間外が多い傾向がありますが、小学校も中学校も平均して月100時間を超える残業が行われている実態があり、これが前出の「辞めたいと思ったことがある」教師の割合の多寡さと繋がっていることは明白です。
1日当たりの休憩時間
休憩時間 | 小学校教員 | 中学校教員 |
---|---|---|
0分 | 51.2% | 47.3% |
1~5分 | 6.0% | 2.6% |
6~10分 | 15.5% | 8.3% |
11~20分 | 13.9% | 14.0% |
21~30分 | 7.1% | 15.3% |
31~44分 | 0.9% | 0.7% |
45~59分 | 3.2% | 6.3% |
60分~ | 2.4% | 5.5% |
小学校も中学校も休憩が全くない教師が約半数に上っています。これではなかなか良い仕事はできないでしょうし、ストレスもたまり不祥事が起きる原因にもなっていると思います。
中学校の教師は総時間外業務が多いからか、休憩をとっている人の割合が小学校より多いようです。
教師の労働時間は誰が管理しているのか
このような状況を見ると、学校の未来は暗いと言わざるを得ません。
文部科学省をはじめ様々な方がこの問題を解決しようと努力をしているように表面上は見えていますが、抜本的な解決には程遠い実態が明らかになっていると思います。
根本的な問題として、日々の労働時間の管理・監督は誰が行っているのでしょうか?
当然管理職たる校長が自校の全職員の労働時間管理をしているはずですが、校長の裁量ではこの問題が解決できないということなのでしょうか。
絶対的な人不足があると、どうしてもこの問題の解決は難しいと思いますが、一方で業務時間を本気で削減するためには、これまで必要とされてきた業務を思い切って辞める勇気を持つことも必要だと思います。
現在の労働時間が何に使われているかの実態を把握し、思い切った業務削減と外部からの人的支援の両面から解決を図らないと、日本の教育環境は衰退の一途をたどるのではないかと大変心配にになります。
学校現場の人たちは「現状を容認しているわけではない」というかもしれませんが、結果的に状況が変わっていないのだから客観的には容認しているという評価になってしまいますね…。
日本のこれまでの教育に関する慣習を疑ってかかることが第一に必要です。部活動はその最たるものですが、教員が全てを抱える体制から教員以外の専門的職員の導入などをして、教員はその本文たる授業に専念できる状況を作ることが急務だと思います。
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