こんにちは。まさおです。
5/17、東京都教育委員会は令和4年度の都立高校入試において、事務処理ミスで本来合格にするべき生徒が不合格になっていたとして3名を追加合格にしたと発表しました。
今回は「都立高校入試の事務処理ミス」を取り上げます。
都立高校入試でミスが判明
5/17、東京都教育委員会は、令和4年2月に実施された都立高校入試で本来合格させるべき生徒3名を不合格にしていたと発表しました。
今回は採点ミスではなく、合否判定上の事務処理に問題があったようです。
調査書点と学力検査の優先順位
1校目は調査書点と学力検査得点の合計が同じだった場合、どっちの生徒を優先されるかという問題です。
優先順位 | 学力検査得点 | 調査書点 | 合計点 |
---|---|---|---|
2 | 500 | 200 | 700 |
1 | 510 | 190 | 700 |
上記の例の通り、学力検査得点と調査書点の合計が同じだった場合、本来は学力検査得点が高い生徒を優先すべきところを、調査書点の高い生徒を優先してしまったようです。
得点一覧ができていれば、エクセルなどでいう「並べ替え設定」の問題だと思います。
この並べ替えの設定を各学校が独自にマニュアルで対応しているとすれば、同様のミスがもっと起こっていてもおかしくないと思います。
現在の入試制度は大変複雑な計算や条件設定を要しますから、教育委員会側が合否判定ツールを準備してあげる方がよいのではないかと思います。すでにどのような対応をされているのかもしれませんが…。
追検査申請者分の合格枠を確保せず不合格に
こちらは少し複雑ですが、インフルエンザや新型コロナウイルスの罹患等で追検査を申請した場合の対応に誤りがありました。
感染症罹患等で追検査の申請があった場合は、その申請者が合格する可能性があるため、本試験の合格者数とは別に追検査受検者の合格枠を確保しておく必要があります。
当該高校では2名の申請者がいましたので、2名合格枠を確保しておく必要がありました。
それを確保せず、当初定員で合格者を決めてしまったために、本来合格するべき2名が合格できなかったということです。
この対応も募集要項などに書いている文字だけでは少し難しいのかもしれません。
実際に各高校の実務対応がどうなっているかわかりませんが、追検査申請者が出た学校における確認事項としてチェックしておくべきだったのかもしれません。
入試制度の複雑化がミスを招く
ここ数年の間に採点ミス以外の合否ラインの設定の仕方のミスなどが増えてきました。
これまでも入試制度は十分複雑だったと思いますが、時代が変わり情報公開が進む中でこれまで埋もれてきたミスも明るみになって来たのではないかと思います。
一方で、入試制度の公平性や正確性への要求はまずます高まっています(当然のことですが)。
採点も事務処理も人が対応をする以上、母数が増えれば必ずミスが出るので、それを本気で撲滅しようと思うなら、人の処理を機械に移していく対応が必須です。
合否判定も東京都くらい大きい組織であれば、都側が合否判定のシステムを組んでそれを各高校に使わせるようにした方がよいでしょう。
東京とも再発防止に力を入れていくと思いますので、今後の対応を注視していきたいと思います。
この問題は東京都に限らず、全国のすべての入試が抱えているリスクだと思います。むしろ、規模の小さい自治体の方が大規模な支援ができないため、人への依存度が高くミスが発生しやすいとも言えます。
入試制度そのものをシンプルにすることも重要な視点だと思います。
コメント