こんにちは。まさおです。
9/9、高崎経済大学は2022年3月8日に行われた経済学部の一般入試(中期日程)で採点ミスがあり、2名を追加合格にしたと発表しました。
入試が終わって半年もたっての追加合格で対象者には慰謝料の支払いも行うそうです。
今回は「高崎経済大学の採点ミスによる追加合格」を取り上げます。
高崎経済大学の採点ミスの概要
9/9、高崎経済大学は2022年3月8日に実施した一般入試(中期日程)において、日本史の解答を誤って採点していたと発表しました。
これにより、2名が追加合格になったとのことです。
高崎経済大学のリリースは以下の通りです。
ミスの詳細
以下の問題で採点用の模範解答にミスがありました。具体的には、正解は(エ)であるのに対し、採点者用の模範解答が(ア)になっていたため、(ア)で採点が進められたとのことです。
日本史はどうしても知識問題になってしまいがちですが、この問題も典型的な知識問題ですね。今どきこのような問題がまだ普通に出ているのだと少し驚きました。
また、逆にガチの知識問題ですから、入試問題のチェックもしやすかったと思いますが、これが気付かれずに半年もたっているとは逆に驚きでもあります。
また、発覚経緯も出版社からの指摘ということで学内チェック機能が働いていなかったのも問題だと思います。
大学側は受験生に謝罪し慰謝料支払いも
大学側のリリースにはありませんが、ニュース記事によると受験生に謝罪慰謝料の支払いも行ったそうです。
同大は受験生に謝罪するとともに、慰謝料などを支払うことで合意したという。
受験生側からすれば、入試が終わって半年もたってから追加合格と言われてもショックが増すばかりだと思います。金額がどの程度かわかりませんが、仮に高崎経済大学に入学するとしても、浪人していた場合の予備校費用や他の大学に進学していた際の入学金やこれまで支払ってきた学費の差額等を支払うといった対応はせざるを得ないと思います。
今やミスのない問題を作る方が難しい
今回の高崎経済大学の入試問題のミスは、客観的に見ればかなりお粗末な、基本中の基本を怠ったレベルのミスだと思います。
今回、高崎経済大学は再発防止策について、「入試業務全体のチェック体制を強化」という表現を使っていますが、これがきちんとできるのかが最大のポイントだと思います。
個人的には、入試問題の作成ミスは一定割合でどうしても起こってしまうものだとおもいます。今後一切の入試ミスを起こさないようにするには、試験問題そのものを減らしていく動きが必要だと思います。
- 入試問題は秘匿性が高く、事前のチェック体制を強化するにも限界がある
- 規模の小さい公立大学は教員数も限られており、学内でのチェック体制の教科にも限界がある
- 入試業務自体が大学本来の機能に対して付随的な位置づけであり、ここに多大なエネルギーを割くのは非効率という側面もある
今年6月には大阪大学でも出題ミスが発覚
今年の6月には、規模が大きく教員のレベルも高いと思われる大阪大学でも出題ミスが発覚しました。
その際には、以下のようなチェック体制を再発防止策として公表しています。
上記のような体制をきちんととれば、一定レベルの出題ミスは防げると思いますが、この水準を全大学が持つことは難しいとも思います。
最大の予防策は入試問題自体を減らすこと
上記のような流れを考えると、入試問題のミスを減らす最大の予防策は個別試験自体の物量を減らすことだと思います。
共通テストを課している場合は、基礎学力は共通テストのスコアである程度測れるわけですから、個別学力試験では、共通テストでは問えなかった記述問題を数問だけ出すとか、出題内容を減らす措置が一番対応がしやすいと思います。
今回の出題ミスの内容も、いわゆる知識系の出題でわざわざ個別試験で聞かないといけないような問題だったのか?という気もします。
もっと入試問題をシンプルにすることが、大学側にも受験生にとってもメリットがある対応だと思います。
今回の最大の問題は、入試が終わって半年もたってから追加合格を出していることです。受験生は一度不合格と判定されて、浪人なのか他大学への進学なのか、既に新しい人生を歩んでいるはずです。
そこに、今から合格通知をもらっても戸惑うばかりで、大学側も受験生がもハッピーにならない状況です。仮に出題ミスがあったとしても、入試終了後から合格発表までに発覚する体制を取らなければいけないと思います。
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