こんにちは。まさおです!
国語の入試対策で、「入試によく出る本」を紹介するケースがあると思います。入試によく出る小説や評論を事前に呼んでおくと本当に有利になるのでしょうか?
今回は「入試素材文を事前に世でおくと有利か?」というテーマです。
入試によく出る素材文を事前に読む意味
中学受験を中心に入試が終わると今年の国語の入試で扱われた出典本はこれだというような特集が組まれます。中学受験の世界は小説を中心に出典本の流行り廃りがあり、塾の担当者も多少なりとも注目していることがあります。
中学入試は人間形成の段階なので、比較的道徳的に良い結末になることが多いので、出典本もある程度取り扱いやすいという傾向があります。
高校受験や大学受験も同様の動きはありますが、中学受験ほど多くの記事や問題集が出回ってはいません。また、中学受験ほど流行り廃りもなく、比較的安定した定番本といくつかのその年の注目本が出回る程度という状況です。
果たしてこのような本を読んでおくと、入試本番でその文章が出た時に有利になるのでしょうか?
結論は、「正しく読めていれば大変有利、間違って読んでいたら逆効果」ということになります。
間違って読むと逆効果とはどういうことか
国語で過去に読んだことのある文章が出た場合、受験生はどのような反応になるでしょうか?
・ラッキー!本文を読まなくてもいきなり問題を解ける!!
・この問題過去に問題集で解いたことがある。選択肢もほとんど同じ!記憶で答えが出せる!
というような反応になります。
つまり、読解をせずに記憶に頼って解答を出す可能性があるということです。
この「記憶に頼って」という部分が両刃の剣であると理解しておきましょう。
事前に読んだときにろくろく答え合わせもせず、自分の解釈に不備があった場合、記憶に頼れば頼るほど実際と異なる解答を選ぶ可能性があります。
入試によく出る本を入試で得点するために読む場合は、上記留意が必要です。
入試によく出る本を読むときの心得
では、入試によく出る本は読まない方がよいのでしょうか?
いえ、読む機会があるなら読んでおいた方がよいでしょう。ただしいくつかの留意点があるということです。
問題集形式のものがあれば問題集形式を使う
問題集形式になっている本があれば、それを使うことをお薦めします。
長所は設問に解答することで誤った読解を正せることと、本当にその文章が出た時にいくつかの設問は同じものが出る可能性が高いということです。
デメリットは、問題集になるまでに時間がかかることと、一度出された問題集は数年間改訂されませんから、出版が古いものは現在の入試傾向と異なっている可能性があるということです。
小説や評論は入試を意識せず、教養を身につける感覚で読む
小説や評論はその本1冊の中から入試に出る部分だけを正しく抜き出すことができません。入試対策という枠組みを少し後退させ、教養を身につけたりモノの見方の広げるために読むというスタンスが重要です。
また、入試に備えてその内容をすべて頭に入れるというよりも、全体の主題や論理の展開をきちんと追いかけて、その本全体で重要なことは何かということを意識する程度にとどめることが重要です。
他の本を読むときと大きくスタンスを変えず、入試対策という意識を外して読むようにしましょう。
入試本番は過去の読解が誤っている可能性を意識して解く
実際に過去に読んだ記憶のある文章が入試本番で出た時の対応ですが、ポイントは「過去の読解が誤っているかも」という意識をもって文章に接することです。
過去の記憶に頼って解答を選んでもよいのですが、かならずその解答で間違いないかを本文に当たって確認する。記憶だけでなく、現地で再確認をするというスタンスが重要です。
そんなの当たり前だと思うかもしれませんが、当たり前でないのが受験生の心理です。入試当日の緊張感は受験生を普段と異なる心理に駆り立てますので、ありえない失敗をするケースを何度も見てきています。
自分の経験では、授業で扱った文章が入試に出た場合、その年の合格率は跳ね上がります。数学が苦手の生徒も関係なく合格しました。読解問題1題分の配点がとても大きいからです。
授業で解説しているのですから、記憶も比較的鮮明ですし、解説済みなので間違いもありません。つまり、正しく読めていれば圧倒的に有利であるのは間違いないです。両刃の剣であることだけ心得ておきましょう。
まとめ
・入試によく出る素材文は興味があればぜひ読んでみるとよい
・問題集形式のものがあれば問題集形式のものを使い答え合わせもやる
・ただし、それを入試対策と意識しすぎず、一般の読書と同じスタンスでよむ
・入試本番では、自分の過去の記憶を疑ってその場で確認をしながら解く
上記が実現できれば、入試の得点はかなり有利になり、合格確率はぐっと上がると思います。
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