こんにちは。まさおです。
1/20,東京都教育委員会が令和3年度の都立高校の応募状況を発表しました。出願倍率は全体で2.78倍で、前年の2.55倍に比べて0.23ポイント上昇しています。
今回は「都立高校推薦入試の応募状況」を取り上げます。
コロナ禍で入試制度も受験生動向も大きく影響を受けている
今年の入試は、新型コロナウイルスにより制度的にも受験生の心理的にも大きな影響を受けました。
都立高校の推薦入試においては、集団討論が個人面接に変更になりました。また、現中2生から導入予定だった英語のスピーキングが1年延期になっています。
受験生の心理としても、倍率が高く不合格になりやすい都立高校ではなく、推薦で確実に私立高校に合格したいという心理が働いた受験生も多くいました。
一方で、私立高校は都立高校に比べて学費が高いため、コロナの影響で学費の心配があるご家庭はやはり都立に流れていて、それぞれの置かれた状況の中でそれぞれ影響を受けているという様相になっています。
現在のコロナウイルスの助教を見ると、英語のスピーキングはさらに1年以上の先送りになる可能性が高いと思います。
事前の試行調査がしづらいことが背景です。現中2・中1生は都の発表を中止しておく必要があります。
都立推薦の出願状況
では、都立推薦入試の出願状況を見てみましょう。
男女別に集計がされている普通科は以下の通りです。
普通科男子 募集人員 | 普通科男子 応募者数 | 普通科男子 倍率 | 前年 応募者数 | 前年 倍率 |
---|---|---|---|---|
2,699 | 7,752 | 2.87 | 7,321 | 2.64 |
普通科女子 募集人員 | 普通科女子 応募者数 | 普通科女子 倍率 | 前年 応募者数 | 前年 倍率 |
---|---|---|---|---|
2,500 | 8,942 | 3.58 | 8,611 | 3.34 |
元となっているデータは以下から参照できます。
・令和3年度推薦入試応募状況
・令和2年度推薦入試応募状況
前年の中3生は先ほど76,989名と記載しました。男女の応募者の合計が15,932名ですから公立中3年生の20.7%が出願をしました。
一方、本年の中3生は74,682名で、男女の応募者の合計は16,694名となっています。公立中3年生の22.4%が出願をしたことになります。
コロナ禍で一般入試のみの受験に対して不安を感じている受験生がいて、出願割合が若干上がったということになります。
上記の数字は男女別の募集をしている普通科のみですから、コース制や専門学科を入れた都立全体の出願はもっと多くなります。
2019年…23,038名(29.9%)
2020年…24,348名(32.6%)
都内の中3生の3人に1人が都立の推薦に出願していることになります。
女子の倍率が高くなる都立高校
上記の表を見て不思議に思った人もいるかもしれませんが、東京都立高校は数少ない男女別の定員制をとっています。
今回の推薦入試も男女の倍率トップ校を拾ってみると以下のような状況になります。
【普通科男子の倍率トップ5】
学校名 | 定員 | 応募者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
青山 | 14 | 86 | 6.14 |
城東 | 32 | 184 | 5.75 |
足立西 | 20 | 101 | 5.05 |
片倉 | 20 | 98 | 4.90 |
三田 | 26 | 126 | 4.85 |
【普通科女子の倍率トップ5】
学校名 | 定員 | 応募者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
青山 | 13 | 127 | 9.77 |
三田 | 24 | 180 | 7.50 |
板橋 | 26 | 176 | 6.77 |
広尾 | 19 | 122 | 6.42 |
城東 | 30 | 187 | 6.23 |
青山高校は人気校でありながら、推薦の定員を10%しか設定していないため上位に毎年入ってきます。
それよりもこの倍率トップ5を見て気づくことは、女子の5位に入っている城東高校の倍率が男子トップの青山よりも高いということです。
全体の倍率も0.6ポイントほど助詞が高く、明らかに女子にとって不利な入試になっていると言えるでしょう。
これにはいろいろ歴史的な背景がありますが、今や都内の私立高校も大半が中学受験にシフトしてしまい、女子が受験できる私立高校もどんどん減ってきています。そんな中で女子の倍率が男子よりも明らかに高い=女子の不合格者が男子よりも多いという状況は、今の世の中では受け入れられなくなってきていると思われます。
近いうちにこの件は問題になると思いますので、早急に私立高校側と調整をして是正の動きを取った方がよいと思います。
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