今春の公立小学校教員採用倍率、過去最低を更新 ~志願者が減少~

教育に関する政策
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まさお
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こんにちは。まさおです。
今春の公立小学校の教員採用試験の採用倍率が過去最低を更新したと朝日新聞が報じています。教員の大量退職もあり、学校教育現場の質の維持のためにも倍率低下に歯止めをかけたいという見方もあります。
今回のテーマは「小学校の教員採用倍率」です。

小学校の教員採用倍率の低下

◆2020年度の採用倍率は2.6倍
⇒これまでの最低は2019年度の2.7倍
⇒今春、2倍を下回ったのは19の自治体
◆教員志望者の減少が続く
学校現場の労働が過酷であることが学生に浸透
教職を敬遠する動きが広がっている

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2021年度の公立小学校教員採用試験の状況

今春の公立小学校の倍率について、朝日新聞が以下の記事で報じています。

公立小教員の採用倍率、過去最低更新 長時間労働で敬遠:朝日新聞デジタル
今春採用された公立小学校教員の採用倍率の全国平均が2・6倍だったことが各地の教育委員会への取材で分かった。過去最低だった昨年度の2・7倍(文部科学省調査)を下回った。2倍を下回る自治体は19あった。…
項目2021年度
(2020夏)
2020年度
(2019夏)
受験者数43,243人44,710人
採用者数16,561人16,693人
倍率2.61倍2.68倍

2021年度の採用者数について、東京都は集計中のことで合格者数が入っています。採用数は合格者数より少なくなるでしょうから、最終倍率はもう少し下がると思います。

文部科学省も以下のレポートを出しています。

https://www.mext.go.jp/content/20210201-mxt_kyoikujinzai01-000012429-1.pdf

「令和2年度(令和元年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況のポイント」より
まさお
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過去最も採用倍率が高かったのは平成12年度で倍率は12.5倍でした。
今はその時代に比べると4分の1の倍率にまで下がっています。

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大量退職による採用枠増と学生の教職敬遠

この倍率低下の背景は2つの要因によります。

1つ目は、教員の大量退職です。現在定年を迎える層は、団塊の世代より少し下の世代に当たりますが、大量採用した時代の世代です。

その世代の教員が定年で抜けますから、採用枠は年々増加しています。
過去最も採用試験の倍率が高かった平成12年度は採用枠が3,683人であるに対して、2021年度は16,561人と5倍近くまで増えている状況があります。

2つ目は教職志望の学生の減少です。SNSなどの普及によって、学校の先生という職業が如何に過酷かが学生にも広く知られるようになっています。

その結果、教職に興味がありつつも過酷な職場でやっていける自信がないという学生が教職をあきらめるケースが増えてきています。

特に「#教師のバトン」プロジェクトが学校の先生の過酷さを世に広めてしまうという皮肉な結果になってしまったので、2022年度向けの採用試験の応募者はさらに減る可能性が高く、応募状況が注目されます。

いずれにせよ、学校現場の質の維持には優秀な学生を教員として採用することが必要です。教職を魅力ある職業にしていかないと、子どもたちの教育自体の質の低下は国力の低下を招く事態につながりかねません

各自治体の労働環境改善動きをもう少し加速させる必要があるように思います。

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国や自治体は本気で教育に投資をすべき

「企業は人なり」という言葉はよくビジネスの現場で聞かれる言葉です。
日本が今後、他国と伍して一定の位置を維持し続けるには「国家は人なり」という発想が必要です。

政治家の言葉の中にはそれらしき表現はあるけれども、現在の教育施策を見ても本当に危機感を持って本気で取り組んでいるかと言えば、ちょっと疑問です。

「#教師のバトン」プロジェクトの問題もそうですが、問題があることは理解しつつも対応スピードが驚くほど遅いというが現在の印象です。

・教員の業務内容の削減
・外部委託の積極活用
・部活動のあり方の再定義
・教員採用と育成計画の最適化

といった諸テーマに本気で取り組む必要があると思います。

たとえば、よく問題になる部活動ですが、本当に毎日練習しないといけないのでしょうか?
「大会で本気で勝ちたいから毎日の練習が必要」という部活は、民間企業等に管理やコーチの外部委託をして、受益者負担(部員から月額の費用をいただく)をお願いした上でやるというのが今風だと思います。

教育という名のもとに公然と労働力の搾取が行われているということはもはや誰も理解していることなのですから、ここにメスを入れない限り、問題点は解決に向かわないのではないかと思います。

この夏に実施される教員採用試験の倍率はさらに下がるでしょう。

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