【学習塾クラスター】塾のオンライン授業移行はどこまで可能か?

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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが止まりません。東京都では感染者が5,000名を超え、全国でも20,000名を超える状況です。
入試の天王山と言われる夏休み中でもあり、多くの塾は対面型指導を継続しています。
今回のテーマは「塾のオンライン授業移行はどこまで可能か?」です。

塾のオンライン授業移行は可能か

◆塾の指導は対面型が基本で親も対面に期待をしている
オンラインでは目が行き届かないのでは?という不安
塾の先生の目の前に子供を預けたいという親の心理
◆塾側は通常授業をZoomで生配信するオンライン授業が主流
学習単元の理解は通常授業と変わらない
受講生のモチベーション喚起や授業中の集中力維持が課題
オンラインだとその塾本来の良さが削がれてしまう可能性が…

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学習塾のクラスター状況

学習塾のホームページをよく見ると、感染者の発生状況をこまめに報告している塾もあれば、大きな感染の時のみ記載をしている塾など様々です。

総じて言えることは、塾の教室を介して大規模な感染を発生させている塾はまだ少ないということです。それでも、最近塾でのクラスター発生が話題になっているので、いくつか首都圏の塾の事例を取り上げてみたいと思います。

湘南ゼミナール

先日のブログでも報告をしましたが、湘南ゼミナールの西船橋教室では塾業界でも例のない大規模なクラスターを発生させました。経過について、ホームページ上に以下の記載があります。

https://www.shozemi.com/news/2021/post_120.html

生徒の皆様,職員につきましてはPCR検査を実施しておりますが,弊社として把握しております検査結果は,次のとおりとなっております(本日午後3時30分 時点)。
  陽性の方  生徒様 95名  職員 4名
  陰性の方  生徒様 71名
  未判明   生徒様 2名

湘南ゼミナールホームページより

ここでいう「本日」とは8月10日を指しています。

職員に未判明はいませんので、全員陽性だったということです。
生徒様は168名中95名が陽性ということで56.4%と半数以上が感染しています。

早稲田アカデミー

早稲田アカデミーは7月下旬に数校で感染者を複数出して休校となっている教室がありました。

【早稲アカ】お知らせ
早稲田アカデミーからのお知らせをご覧いただけます。

具体的な人数の記載はありませんが、2週間校舎を完全に閉じているので、多くの生徒・職員が自宅待機や2週間の経過観察になっているものと思われます。

まさお
まさお

校舎を閉じるところまではいかなくても、1名~2名程度の感染者の発生は多くの塾で起こっているようです。
多くは塾内の感染ではなく、家庭内感染をした生徒が塾に通っていて、後から要請が発覚しているというケースのようです。

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塾のオンライン授業が主流にならない理由

このような感染が続いている中でも、塾の授業がオンライン主流にならないのはなぜなのでしょうか?

以下のような理由が考えられます。

塾の授業がオンラインにならない理由

1.保護者がオンライン授業を信用していない
⇒子どもの学習姿勢がオンラインだと維持できないと思い対面型に通わせたがる
2.塾側がオンライン授業のクオリティを上げきれない
⇒これまで対面型授業のノウハウを磨いていたので、目の前の生徒指導が得意
⇒オンラインにした場合、生徒にどの程度話が伝わっているか把握しづらい
3.オンライン型の塾は対面型ほど集客できない
⇒オンライン型の塾の生徒数は対面型に比べると圧倒的に少ない
⇒塾側は採算に乗らないオンライン型授業への投資をしづらい

塾業界と言えども企業なので、顧客ニーズに合わないものを提供するのは難しいという状況があります。

昨年4月からの緊急事態宣言で多くの塾がオンライン型にかじを切りましたが、昨年9月以降にオンライン型を受講していた塾生の多くが対面型に帰っていきました。
ずっとオンライン型を受講継続していたのは少数派という現実があります。

まさお
まさお

とはいえ、現在の感染状況を踏まえるとオンライン型にかじを切らざるを得ない部分もあると思います。塾のオンライン授業はどこまで移行が可能なのでしょうか?

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塾のオンライン授業のタイプを見極めよう

各塾が希望者に対して行っているオンライン授業にはいくつかのタイプがあります。
自分が通っている塾、もしくは通おうとしている塾の授業タイプをよく理解する必要があります。

Zoomを使った双方向授業

もっともポピュラーなのが、Zoomを使って「双方向」を謳っている授業です。

双方向というのは、講義内容を一方的に流すのではなく、生徒に発言をさせ理解状況をチェックしながら進めるというタイプです。

早稲田アカデミーの「早稲アカDUAL」などは典型的なタイプです。
生徒が受講している教室の様子をオンラインでも同時配信をするので、いわゆる対面型とオンライン型の生徒が同居するハイブリッドタイプとなります。

懸念点は、オンライン型の生徒に対してどこまでの対面の生徒と同様の対応ができているかという点です。先生の立場を想像すると、どうしても目の前の生徒の発言や態度の方が気になってしまうのではないかと思ってしまいます。

授業映像配信とオンラインホームルーム

全ての授業をフルタイムでZoom等のオンラインにせず、授業映像の視聴+双方向型のホームルームで学習状況を確認するというタイプの塾もあります。

臨海セミナーなどがこのタイプです。
1回15分の単元理解動画の視聴+宿題実施+オンラインホームルームという流れを取っているようです。

ある程度生徒自身の意識が高く、学習習慣がついている生徒にとってはこのやり方は負担が少なく良いと思います。
一方で、少しでもサボりたいという考え方の生徒がこのタイプの授業に参加すると、学習効果が全くなくなるリスクもあり、参加する生徒自身の意欲がポイントとなります。

授業映像配信のみ

塾の中にはオンライン双方向は一切やらず、授業動画の配信のみでオンライン授業としているところもあります。

中学受験の日能研「Web教室」として授業配信を行っていますが、受講生との双方向との確認を週単位で行うような動きは取っていません

中学受験は親の関与が重要ですので、Web教室を選択した場合は学習管理は保護者の役割として進めていくというようにも見えますね。

まさお
まさお

しばらくはオンライン授業ニーズが高まると思いますが、この感染の山が終息するとまた対面型に戻っていくと思われ、塾側もどこまでオンライン授業の仕組みを整えたものか悩んでいるようです。
塾本来の良さはどうしても対面型の熱量を伝える授業になってしまいそうです。
オンライン学習のノウハウ確立が急務ですね。

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