こんにちは。まさおです。
都立高校では来年度の入試(新中3生対象)から、英語のスピーキングテストの導入を予定しています。1/27,吃音の当事者や専門家らによる有志の会が、吃音症状とみられる話し方を減点対象にしないことを求める意見書を提出しました。
今回のテーマは「正しく採点可能?吃音者の英語スピーキングテスト」です。
吃音とは…
話し言葉が滑らかに出ない発話障害で、第一音や途中の音が詰まったり、同じ音を何度も繰り返したり、音を引き延ばしたりして流ちょうに話すことができない状態
吃音者は全人口の0.8%程度で、120人に1名程度。
吃音への配慮を求め意見書提出
1/27、吃音の当事者や専門家らによる有志の会が、東京都に対して靴恩賞場と見られる話し方を減点対象としないことを求める意見書を提出しました。
以下の毎日新聞の記事で紹介されています。
これまであまり意識してきませんでしたが、スピーキングテストは吃音の子どもにとっては大変苦痛なテストであることは間違いありません。
吃音者への配慮は本当に可能なのでしょうか?
吃音のある生徒は事前に申請するとスピーキングテスト時に問題を解く時間を3倍にするなどの配慮をしてもらえるようです。
一方で、吃音であることを事前申請で明らかにするのをためらう生徒もいると思われ、思春期の子供たちの心理に配慮した対応かは少し疑問も残ります。
採点基準通りだと吃音者が減点される可能性
今回、有志の会が意見書を提出した背景には、スピーキングテストの採点基準が吃音者にとって不利になる可能性のある項目があるからです。
当右京とが令和3年度に行ったプレテストの採点基準で音声パートの採点基準は以下のように記載されています。
内容 | 得点 |
---|---|
・発音は概ね正しく、強勢、リズムや 抑揚が、聞き手の理解の支障となる ことはない。 ・言葉や言い回しを考えたり、言い直 したりするために、間(ま)を取ること があるが、発話中の間(ま)は、概 ね自然なところにあり、不自然に長く ない。 | ◎(3) |
・発音は概ね理解できるが、強勢、リ ズムや抑揚が、聞き手の理解の支障 となることがある。 ・不自然なところに間(ま)や沈黙 があったり、不自然に長かったりする が、話についていくことは可能な程度 である。言いよどみがある。 | 〇(2) |
・簡単な単語や語句の強勢は適切 であるが、全体を通して発音の誤りが 生じ、抑揚がほとんどない。 ・不自然な間(ま)や沈黙が多かっ たり、話についていくのが難しいほど沈 黙が長かったりする。言いよどみが多 い。 | △(1) |
・求められている解答内容から明らか に外れている。 ・英語ではない、あるいは、英語として 通じない。 ・力を測るための十分な量の発話が ない。 | ×(0) |
この採点基準にある「不自然な間」が吃音による場合と単純に解答が考えられずに間が空いてしまう場合があり、採点者がそれを聞き分けられるのかという問題があるということです。
東京都は採点基準の見直しや運用時の吃音者への配慮などを明示的に行うことが求められると思います。
言葉の流暢さよりも内容がきちんと伝わるかを中心に採点することが重要です。
ここ数年、入試の公平性の問題が話題になりますが、これまでの入試では吃音で得点に差が出るというケースがまれだったため、今後様々な問題が提起されると思います。
特に東京都の取り組みは全国の自治体に影響を与えることが多いため、東京都には丁寧な対応が求められます。
吃音者の辛さは吃音者でないとわからないと思いますが、一番の問題は「自己肯定感が低下してしまう」ことだと思います。特に小中学生は吃音であることでからかわれたりすることもあるでしょうから、吃音という存在をきちんと認知し受け容れる風土を大人側が作っていくことが大事だと思います。
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