こんにちは。まさおです。
5/31、茨城県教育委員会は令和4年度の県立高校の入学者選抜において、令和4年度入試の行ける採点ミスの問い合わせが1件も出ていないとの報告をしました。
2020・2021年度入試で計988件の採点ミスから1年で採点ミスゼロにたどり着いたようです。
今回は「茨城県公立高校採点ミスゼロへのとりくみ」を取り上げます。
茨城県教委のミスゼロの報告内容
5/31、茨城県教育委員会は「県立高校等入学者選抜方法協議会」で、令和4年度の入学者選抜において採点ミスの問い合わせが1件も出ていないとの報告をしました。
具体的な対応は以下の報道との通りです。茨城県教育委員会のWebサイトには、5/31段階で詳細資料はまだ掲載されていませんでした。
大前提として、今年の入試問題からは記述問題がほとんどなくなっていることも重要な要素です。
ちなみに発見された175件のミスの内訳は以下の通りです。
- 得点の誤り:91件
- 正誤の判断:55件
- 計算ソフトへの入力ミスなど(その他):29件
数値データを見ると、一番ミスが多いのは正しい配点に基づいて得点を計算できないということのようです。正誤の判断が一番多いと思っていたので意外ですね。
また、最近このブログでも話題にした事務処理(得点入力)ミスもかなりの割合で発生することがわかりました。大変貴重なデータだと思います。
茨城県が次年度OCRを導入する理由
茨城県は令和5年度の入試から答案をスキャンして文字判定をするOCR(光学的文字認識)を入れることを発表しています。
今回の再点検証時の状況を見ると、茨城県が次年度OCRを導入する理由がわかります。
- 得点の誤り:91件
⇒OCRのデジタル採点にすれば得点はPCが自動で付与するのでミスはなくせる - 正誤の判断:55件
⇒採点ソフトが入る神判明だが、自動採点なら記号問題の正誤判断のミスはなくせる - 計算ソフトへの入力ミスなど(その他):29件
⇒得点計算が自動化されれば、入力作業自体がなくなる
上記の通り、OCR+自動採点があれば、現在の問題セットにおけるミスはほぼ100%撲滅できそうです。
一方で、茨城県は次年度から記述問題を増やすことも発表しています。今年の入試問題があまりに極端な選択式だったので、現場からもこれでは受検生の力を十分に測れないとのことで記述を増やしてほしいとの要望が出ていました。
OCRの導入と合わせて記述問題を増加させることで、教師の採点業務時間の増加をさせずに記述問題の採点精度も高められないかというチャレンジになります。
次年度の採点結果がどう出るか、注目ですね。
OCRによる採点を茨城県の全公立高校が学校単位で行うため、ポイントは事前の研修とシステムへの習熟だと思います。入試は短時間で正確な作業が求められる一発勝負ですから、事前に学校の定期テストや入試の過去問題などを使ってテスト運用をしておくことが重要だと思います。
一方で、採点ミスをなくすためにこれだけの労力を書けないといけないのかという思いもあります。この水準をこれから何年も維持するにはそれなりの熱意を持ち続ける必要があると思います。意識せずとも軽く処理できるまで制度がこなれてくればよいのですが…。
茨城県のこれからの取り組みに期待したいところです。
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