【ミス撲滅へ】茨城県立の採点マニュアルの実効性が問われる

茨城県公立高校採点ミス防止高校入試
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
茨城県立高校では2020年と2021年に大規模な採点ミスが発覚し、県を挙げて採点ミスの撲滅に取り組んできました。3月3日の本番入試を控え、水戸第二高校で採点シミュレーションを行ったようです。これが実効的であれば、全国の採点ミス防止のさきがけになれるかもしれません。
今回は「茨城県公立の採点シミュレーション」をご紹介します。

茨城県公立の採点ミス撲滅対策

◆採点は2系統で行い、正副の突合チェックを行う
副本はカラー用紙でコピーをし、2名体制で独立して採点して照合
⇒得点欄を新設し、合計点の計算ミスも発生しにくくする
正しく運用されれば大きなミスは撲滅できる可能性が高い
◆採点シミュレーションは全校で実施すべき
⇒全校で実施されているかは報道から見えない
不合格者へ答案写しが返送されるため不合格者は答案チェックを

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水戸第二高校での採点シミュレーション

2020年度と2021年に大規模な採点ミスが発覚した茨城県では、県公立高校の採点ミスを発生させないための再発防止策を策定しています。

過去に以下の記事でご紹介しました。

これを受けて、2/10、水戸第二高校では本番さながらの採点シミュレーションを行ったそうです。
実際に運用テストをすることは大変重要なことで、些細な問題も事前に体験しておくことで本番の不測の事態を解決できると思います。

実際のシミュレーションで配下のような項目が確認されたそうです。

  • 解答用紙(正本)とコピー(副本)で採点と点検を2系統で実施
  • 正本と副本の見分けがつきやすくするように副本は色付き用紙でコピーする
  • 実施後、正副の突合を行い採点ミスがないかをチェックする
  • 得点欄を新設し合計点を計算しやすくする
  • 採点・点検時の使用ペンの色を分けて見分けやすくする
  • 学校ごとの判断となる「部分点」の詳細基準を提示する

といった内容で、一定レベルの採点ミス防止効果が期待できるものだと思います。

まさお
まさお

公立高校受験は多くても受験者が500名前後なので、ある程度人海戦術で相互チェック体制を組めば丁寧に対応可能です。
今回のような問題意識を持った取り組みであれば、一定の成果は期待できると思います。

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懸念は学校間の対応水準の統一

水戸第二高校は今回の報道のような対応で一定レベルの成果が期待できますが、茨城県のすべての学校が同水準で採点を実施できるかは未知数です。

今回の水戸第二高校なみの水準を各校が事前シミュレーションとともに実装レベルまで持っていけているならば、過去2年間とは異なった採点精度で次回の入試は乗り越えられるのではないかと思います。

制度的には、県が各高校に事前シミュレーションを義務付けて、実施報告書を提出させるなどの対応を行うことが有効だと思います。

普通に考えればそこまでの対応はしているはずですが、今回の報道からは具体的な状況が見えませんでした。

一方、今回の対応を長い目で見たときの懸念点は以下の2点です。

茨城の採点防止策の懸念点
  • 学校ごとに採点基準が異なる「部分点」対応が曖昧
    ⇒学校間で対応に大きな差が出る可能性
    ⇒不合格者答案返却により記述問題の採点の揺れが発覚する可能性
  • この水準を何年維持できるか
    ⇒採点ミスが数年減ると意識が緩む可能性
    ⇒入試終了後の採点総括レポートなどの牽制施策が必要

部分点については、学校ごとに対応が曖昧にある可能性があります。
実際の部分点採点は、答案の採点を進めながら担当者が議論をして基準調整をする必要が出てくると思わます。
最初に決めた基準のみで実答案を見ていないと基準がブレて後から問題が発覚する可能性があるので、部分点対応のノウハウ化も進めておくとよいと思われます。

また、一般的に最初は厳しい基準が、時間の経過とともに甘くなる可能性がありますので、水準維持のための制度化を考えておく必要があります。

いわゆるPDCAと呼ばれるサイクルできちんとチェックと次に向けたアクションが取られるようになれば時間の経過とともに制度が逆に高まっていくでしょう。

3月に実施される入試の採点精度には注目しておく必要があります。

まさお
まさお

受検生も真剣勝負ですが、採点する教員側も真剣勝負で臨んでほしいですね。
これで大きな進歩が見られれば、過去のミスの痛い経験も少しは浮かばれると思います。

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