こんにちは。まさおです。
小学生が背負うランドセルが指導要領改訂による教科書のページ増で大変重くなっていると話題です。そんな中小学生が発案して作った、ランドセルをキャリー化する「さんぽセル」が4か月待ちの大人気に。一方で、これに対する批判もかなり出ているようです。
今回は「『さんぽセル』に対する批判と大人の身勝手」というテーマです。
さんぽセルと大人の批判
ランドセルをキャリー化できるアイデア商品「さんぽセル」が4月21日に発売になりました。
すでに2,000個以上の予約が入り、想定外の注文量に4カ月待ちの状態になっているとのことです。
一方で、さんぽセルに対する大人の批判も相当数出ているようです
上記で紹介しているサイトに、批判の例とそれに対する子どもたちの反論が紹介されています。また、世間の支援度合い図る目的でクラウドファンディングもスタートさせたそうです。
大人:「考えた子たちバカそう」
子供:「僕たちが考えたものが人気で3カ月待ちになりました。あなたは何カ月待ちですか?」
この当時は3カ月待ちだったようですが、現在はさらに1カ月延びて4か月待ちになっています。
大人:「重たいだろうけど、楽したら筋が低下していかん! 体も心も鍛えないと!」
子供:「(重たい)灯油缶を、いまも毎日背負っている大人が言うなら許します。もし灯油缶を遠くに運ぶなら、大人はみんな軟弱にならないように背負いますか? きっとタイヤで運ぶと思います。同じです!」
批判のコメントは、いずれも「Yahoo!ニュース」に寄せられたものです。ほかにも多数の批判がありますが、いずれもニュースを読んだ大人が第一印象で書いた軽いものが多く、重いランドセルを背負う子どもの切実な事情を理解していないため、議論がかみ合わない印象ですね。
子供のランドセルは体重の4分の1
現在の子供のランドセルは平均5~6kgとなっています。
脱ゆとり教育で教科書が大型化、かつページ数増で、重い子は10kgを超えるようです。
小学校低学年ですと体重は20kg程度ですから、体重の4分の1程度の荷物を毎日背中に背負っていることになります。
体重60kgの大人に換算すると15~18kgくらいの荷物を背中に背負って徒歩通勤しているイメージです。
ランドセル症候群の危険も
重いランドセルを毎日背負うことで「ランドセル症候群」になるという話も出てきています。
重いランドセルを背中に背負って毎日学校に通うのが正しい姿と思っている大人がまだまだ多いようですが、自分の子供の頃と状況が異なっている現状を正しく理解すべきです。
大人がリーダーシップをもって子供の負担を軽くしないと、子供たちにアイデア商品を作らせて、大人が批判するというちぐはぐな状態が生まれてしまいます。
子供を俯瞰してみる大人がいない
この問題の本質は、子供の学習環境を俯瞰して見られる身近な大人がいないことだと思います。
- 文部科学省
⇒脱ゆとりで学習内容を増やすことに注力。教科書総量とその運搬には目がいかない
⇒あとからとってつけたように「置き勉」を認めるとの発信 - 教科書会社
⇒親切丁寧に教科書を作った結果、ページがどんどん増えていく
⇒子供の教科書の総重量への配慮が行き届かない - ランドセル会社
⇒競合他社との差別化に意識が向き、ランドセルの概念から脱しきれない
⇒文科省や教育有識者と次世代ランドセルの開発に注力すべき - 第三者的な大人
⇒無責任にキャリー化を批判。過去の自分の経験をベースに実情が把握できないまま発言。 - 学校の先生
⇒もっと大胆に「置き勉」を推進すべき。学校によっては「置き勉」を禁止するところも。「べき論」ばかりで現実に向き合えない大人がまだまだ多い。
置き勉を禁止する学校は危ない
ここまでの状況を見る限り、ランドセルの中身軽量化やキャリー化は早急に推進すべきと思います。
ここで最大のボトルネックは「学校」です。
中には「置き勉」をいまだに禁止している学校もあると聞きます。
子供たちの背負うランドセルの実情と旧来の概念「置き勉は悪いこと」とのバランスの中で、旧来の概念のみにとらわれて現実的な対応が選択できないとすると、学校が一番危ないと思います。
本来、一番身近な子供の見方は学校の先生です。子供たちの背負うランドセルを自分で背負ってみることが大事です。
また、今日持って帰ってよい教科書やノートを指定し、極力多くの荷物を持ち運ばせないように子供たちを導くのも学校の先生であってほしいですね。
最後の砦は学校の先生です。学校の先生が子供の実情を正しく把握し、正しい選択をできることが重要です。そこに校長や教頭などがブレーキをかけるなら、その校長や教頭をどうにかしないといけないのですが、そこも含めて現場の先生が声を上げることが重要だと思います。
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