こんにちは。まさおです。
最近「体育座り」を廃止にする動きがネット上で話題になっています。体育座りを廃止した学校の事例を引き合いに、廃止の動きが広まっていることに対してネット上でアンケートなどもとられているようです。一方で反対派も一定数いるようです。
個人的には、すぐにでも廃止した方がよいと思いますが…。
今回は「体育座り廃止への抵抗が根強い理由」を考えてみたいと思います。
体育座りは体に悪い?
自分もそうですが、小中学校時代は体育座りが普通でした。ここにきて体育座りが身体に悪いと言われても50年以上日本の子供たちは体育座りをしてきたわけですからにわかには信じがたいですね。
本当に体育座りは体に悪いのでしょうか?
上記のサイトでは、「膝を抱え込む座り方は、内臓が圧迫され、座骨への刺激もあります」という記述が出てきます。
それ以外にも、実際に子供たちが腰の痛みを訴えるケースが多いことから、必ずしも良い座り方でないことは間違いないように思います。
この議論は、正座などにも言えることで、正座も行儀の良い座り方ではありますが、昔は体罰の一環として、正座をさせていたわけですから、子供たちが苦痛を訴えるような座り方は早く廃止するのがよいように思います。
トレンドリサーチのアンケート
このように、にわかに悪者扱いされてしまっている「体育座り」ですが、日本トレンドリサーチが体育座りの是非についてアンケートを取ってくれました。
体育座りに関するアンケートの概要
調査手法 | インターネットでのアンケート ※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を利用して調査を実施 |
調査対象者 | 事前調査で「学校で『体育座り』をしたことがある」と回答した全国の男女 |
調査期間 | 2022年5月17日~5月19日 |
質問内容 | 質問1:床に座る場合、次の座り方の中で最も座りやすい(楽に感じる)のはどれですか? 質問2:具体的に床に座る場合に最も座りやすい座り方を教えてください。 質問3:「体育座り」が他の座り方よりも良いと思う点を教えてください。 質問4:床に座る場合、次の座り方の中で、最も座りにくい(辛く感じる)のはどれですか? 質問5:具体的に床に座る場合に最も座りにくい座り方を教えてください。 質問6:「体育座り」が他の座り方よりも辛いと思う点を教えてください。 質問7:学校で「体育座り」をやめる動きについて、どのように思いますか? 質問8:回答の理由を教えてください。 |
集計対象人数 | 1,250名(30代以下・40代・50代・60代・70代以上 各250名) |
問7:体育座りの是非に関する意見
上記の通り、体育座り廃止の動きについては、約半数がよいと思うと答えた一方、6.7%はやめるべきではないという意見、どちらとも言えないという意見も43.9%ありました。
どちらとも言えないという回答は、体育座りに対する問題点を正しく理解できていないと選びがちになってしまうと思います。このアンケートの前提として、体育座りが抱えている問題点がきちんと伝わっているかがポイントだと思います(それは「よくないと思う」にも言えることではありますが…)
「よくないと思う」回答理由
あえて、よくないと思う回答理由のみを以下にも掲載します。
- 体育座り以外の座り方だと全体が乱れてしまいます。子どものけじめにならない。学校などで1時間や2時間ずっと座ってなさいということはないと考えられるので内蔵や腰などの悪影響はないと思う。(20代・女性)
- 腰に良くない理由や根拠が無い。体育座りは背筋を伸ばすなど座る姿勢を間違わなければ、逆に腰痛緩和にも良い。(50代・男性)
- 圧迫するほどしっかりと座っている子を見たことないしある程度の調整は自分でできるだろう。(60代・女性)
- なぜそのような指摘があるのか根拠が良くわからない。自分は体育座りは苦にならないので指摘はおかしい。ただの言いがかりにしか思えない。(60代・男性)
- 本当ならばなぜ今まで推奨していたのか疑問である。(30代・男性)
善意で解答してくれた方が大半でしょうからコメントしづらいところもありますが、このコメント自体が過去の自分の経験をベースにした根拠の乏しい回答のようにも思います。
学校で体育座りをしなければならないシチュエーション自体が残っていること自体を考え直した方がよいのではないかと思います。
体育座りへの反対意見が根強い背景は?
自分の最大の問題意識は、「体育座り」で腰が痛いという子どもが出ている事実を知っていながらあえて全員に体育座りを強制すべきという意見がいまだに多いということです。
日本はとかく集団行動を重視し、多少の個人の犠牲を払ってでも全体の利益を優先するという考え方が主流です。
もちろんそれによるメリットも一定レベルあったのですが、現代においては個人が持てる能力を最大限発揮することで全体のパフォーマンスを上げる時代なので、「全体の秩序を守るために座り方を規定する」というのはさすがに時代錯誤だと思います。
また、「自身の過去の経験で問題がなかったから今でもそれを当てはめてよい」という考え方も多くの場面で見てきました。
自分の過去の経験とは何年前の経験なのか、今でもその考え方は正しいのか、他国の動きと比べて日本はどういう立ち位置なのかといった視点を常に持っていないと、日本の世界における立ち位置がどんどん下がって行ってしまうのではないかという危惧を持ちます。
先日取り上げた「さんぽセル」に対する批判にも似たような日本独特の同調圧力を感じます。
この考え方自体が日本の現代化を遅らせてしまっていると思います。もっと世の中のスピード感を持ってかえていく必要があると思います。
「体育座り」ではなく、椅子を並べて椅子に座ってもらうのがまずは大事かと思います。狭い面積の床にぎゅうぎゅう詰めで座らせるようなやり方はほとんどないのではないかとも思いますが、まだあるならその対応から早く卒業するべきです。
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