【高校入試】国語の読解力を向上させる3つの基本的な考え方

読解力をつける
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つかみどころのない「読解力」を向上させる3つのポイント

「国語の読解力がどうしても上がらない」とか「国語の勉強方法がわからない」といった相談をよくもらいます。
この記事では読解力を向上させる重要な考え方を3つにまとめてお伝えします。

・前提として「自分の思いを言葉で表現するのは難しい」と理解することが重要
・読解力を上げるには「目の前の文章に正面から向き合う姿勢」が重要
・読解力向上には「常識」や「経験」も必要で、「日常生活」こそが重要

※問題集を解かなくても姿勢を変えるだけで読解力は向上する
※基本姿勢ができた上で適切なレベルの問題集を解けば読解力は劇的に向上する
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「自分の思いを言葉で表現するのは難しい」という事実

中高生に限らず、大人でもこの前提を勘違いしている人が多いです。
読解力を考えるときの大前提は言葉は万能ではないという考え方です。

例1:(ちょっと古いですが)DREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE 」の歌詞

ねぇ どうして すっごくすごく好きなこと
ただ 伝えたいだけなのに  ルルルルル
うまく 言えないんだろう…

例2:(さらに古くなりますが)CHAGE and ASKAの「SAY YES」の歌詞

言葉は心を越えない
とても伝えたがるけど
心に勝てない

応用編:(少し新しくなって)RADWINPSの「なんでもないや」の歌詞

嬉しくて泣くのは 悲しくて笑うのは
君の心が 君を追い越したんだよ

他にも例はいっぱいあるのですが、人間の思いを言葉で表すことは難しく、いつもどこか物足りない表現になってしまいます
小説家など文章を書くことが生業の人は、卓越したスキルで思いや考えを言葉に表そうとします
詩人は心の中心を感覚的な表現を使って感覚的に伝えようとすることも多いです。

皆さんも昨日の晩御飯の味を誰かに伝えるのはとても難しいですよね。
テレビの食レポもよく見ると結局「おいしい」「美味い」しか言葉がないことが多いです。

このように、国語の教科書などに出てくる文章もそれを書いた人は自分の思いをあの手この手で伝えようと必死に文章を作っているということをまずは知っておくことが重要です。

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読解力向上に必要なのは目の前の文章に正面から 向き合う姿勢

かつて多くの生徒を指導していて感じていたことは、「読解力のない生徒なんていない」ということです。
国語のテストはボロボロでも、ゲームの攻略本は隅々まで読んでいたり、好きなアイドルのインタビューは完璧に覚えていたりする生徒は多くいました
ドラマやアニメを見て登場人物が何を考え、何を感じているかもみんな分かっています。
気持ちがそこに向かえばくみ取れることはたくさんありそうです。

国語が苦手な生徒は、読解力がないというよりは、
文章に向き合おうという意欲が足りない
目の前の文章から逃げてしまう
というのが本質なのだろうと気づきました。

新指導要領では「学びに向かう力」というテーマが掲げられましたが、読解力もこことつながっていると思います。

では、正面から文章に向き合う姿勢はどうすれば身につくのでしょうか??

もっとも重要なことは学習者本人が、目の前の文章から筆者の伝えたいことを読み取ろうとする意識を持つことです。
具体的には、目の前の文章に書かれている一文一文の内容を声に出しながら(声が出せない場所なら口パクでもよいので)、丁寧に読んでみることです。
国語のテストで得点がとれない生徒に対して一人一人の解き方をきちんとたどってみると、意外なことに(あるいは予想通り)多くの生徒は文章をほとんど読まずに解答を出していたことがありました。
教える側は生徒が文章をきちんと読むものと思っていたのに、実際は読んでなどいなかったということです。
だまされたと思って、文章をきちんと一字一句残らず読むことを心がけましょう
特にテストや問題集では下線部とその前後の文章だけでも丁寧に読むだけで数点の得点力アップが見込まれます。

それ以外にもやってほしいことはたくさんありますが、それは別の機会にまとめるようにします。まずは丁寧に読もうという意識を持つこと。これがとても大事です。

読解力を裏で支えるのは「常識」や「経験」

作者や筆者が、文章で相手に何らかの思いや情報を伝えようとする際に前提となるのが、「常識」です。
例えば、「西日が少年の長い影を作っていた」という表現から、季節を読み取ることができるでしょうか。
「長い影を作っていた」とあることから、晩秋や冬と場面設定が読み取れる生徒と何のことやら想像ができない生徒では、その段階で持っている情報に差が出てしまいます
特に小説などで心情を読者に伝えようとする場合は、風景描写や季節、天候などに心情が投影されていることが多く、注意しなければなりません。

その際に必要となるのが、本人のこれまでの人生での「経験」や培ってきた「常識」のようなものです。本人の実体験でもよいですし、読書によって得た疑似体験でも構いません。
常識もこれまでの人生において取得してきた常識、特に日本の常識が必要となるケースが多いです。
海外の著者の小説の場合は海外の生活習慣や常識を知っておくことが読解に有利に働くこともあります。入試においては重要な常識や背景知識は注釈で補われることも間々あります。
読書をたくさんしてきた人が読解力において有利なのは、読むスピードや語彙力もさることながら、疑似体験の積み上げによる引き出しの多さがあるからです。

では、常識や経験を読解の糧にするにはどうすればよいのでしょうか?

もっとも簡単なことは、日常生活におけるさまざまな慣習や事象に疑問を持つことです。
今はGoogleなどで検索すれば多くの疑問には何らかの解答がついてきます。ネット上には一部誤った情報もあるので注意が必要ですが、数多くの疑問への解答をネットを使って調べていくうちに正しい情報が蓄積されていくことになります。

まとめ

読解力向上を実現するためには、以下の3つの考え方を持って問題に当たりましょう。
・人間の考えを言葉で表すことは難しいという前提を意識する
・目の前の文章から逃げずに丁寧に読むことで状況が変わることを意識する
 ※テストでは下線部や空欄の前後を丁寧に読むだけで得点は上がってくる
・日常生活における経験や常識を基準に文章内容を理解することを心がける

これを意識して文章にあたってみましょう。

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