【各塾各様】塾のオンライン授業とはどんなものか

学習方法・学習ツール
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まさお
まさお

以下の記事にもある通り、各塾ではオンライン授業がさまざまな形で展開されています。
いろいろな塾を見渡してみると、利用しているソフトウェアは、そのほとんどがzoomのようです。

なぜそんなにzoomを選ぶのか、その授業は対面指導と同等なのか、調べてみました。

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塾のオンライン授業のツボとは

動画を提供するだけでは子供たちは勉強しない
⇒塾に通う理由は塾の先生による激励や声かけによる「学習圧力」への期待
1人1人に目が届き、且つ操作が簡単なツールじゃないと続かない
⇒zoomに偏るのはその直感的なインターフェースによるところが大きい

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主要塾のオンライン授業マップ

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京都などでは学習塾の営業自粛が要請されています。本来は1000平方メートル以上の塾だけが自粛要請の対象です。延べ面積が1000平方メートル以上というのは、予備校のような大規模なところにしかならないのですが、チェーン展開をしている大手塾は軒並み授業を自粛しました。

一方で、塾は学校と違って月謝のみで運営されていますから、授業をやらなければ遅かれ早かれ潰れてしまいます。
そのため、何らかの形で授業を継続し、お月謝をお支払いただく状態を作りたいということで各塾がオンラインの授業スタイルに取り組み始めています

各塾がどのような取り組みをしているのかは、リセマムさんが5月1日出した記事の中に細かく語られていました。

大きく4パターンに分かれています。

1.授業を録画した映像配信で学習させ、電話や個別フォローで個々の理解度をチェックする
2.集団指導(6名以上)を対面式のWeb会議システム等で一斉指導する
3.個別指導(3名以下)を対面式のWeb会議システム等で一斉指導する
4.完全オンライン型を継続する

もともと学習塾の先生というのは、古いタイプの人が多く、最新のPCやアプリを使いこなせる人は一握りです。その一握りはものすごく詳しかったりするのですが…。

したがって、黒板の前で授業をさせて、それをビデオカメラで生撮りする方が展開がしやすく、主流になりがちです。

一方で、それでは通わせている保護者のニーズを満たせないという問題があります。

「子供が集中して映像を見ていられない」
「わかった気になっているだけで身についていない」
という保護者はたくさんいて、塾側もこのままではまずい(月謝をいただけない)という危機感を持ち始めました。

そこで、上記の図の右上にあたる、「2.~」の6名以上のグループ指導を対面のWeb会議システムを使って行うという手法が広まり始めたのです。
そこで注目されたのが、zoomというアプリでした。

まさお
まさお

ちなみに個別指導の方は、zoomによる双方向のWeb会議システムがとても親和性が高く、かなり満足度の高い授業が実施できているようです。
これは、個別指導が解法伝授ではなく、生徒の困りごとのヒアリングと解決という会話重視で成り立つことに起因しているように思われます。

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集団クラスの双方向指導はzoom利用が圧倒的に多い

早稲田アカデミーをはじめ、日能研などもzoomによる授業を始めるということで、集団塾の多くは双方向指導のツールとしてzoomを選択しているようです。
なぜ、どの塾もzoomを選ぼうとするのでしょうか。

スクールタクトさんのHPにzoom授業の様子(イメージ)が掲載されていました。

https://schooltakt.com/wp-content/uploads/2020/03/case-kyuko-case2_01-min.png

実際はクマの着ぐるみで授業は受けないと思いますが、ここにある通り、集団塾の授業をzoomでやろうとすると、多くの生徒が一堂に会して独特の盛り上がりを見せるところがあります。

先生側もホワイトボードをWebカメラに写して解説をするので、通常のWeb会議よりも苦労しているようです。手もとにミニホワイトボードを置いている塾もあるようです。各塾それぞれに工夫を凝らして対応しています。

しかし、なぜどの塾もzoomを使いたがるのでしょうか。その理由は大きく2つあると思われます。

zoomは小学生でも使いこなせる

他のツールに比べてzoomは大変インターフェースがわかりやすく、小学生でも1~2回使えば完全に利用が可能となります。
むしろいい年をした先生の方が対応ができず、右往左往する場面があるようです。

また、参加する生徒側にはIDを求めず、ミーティングIDという電話番号のような数字(10ケタ・11ケタ)を配布すればすぐに参加できるという取り回しのしやすさもメリットです。

ホスト単位の課金で費用面での導入障壁が低い

多くのWeb会議ツールが高価、かつ、利用ユーザー数での課金であるのに対して、zoomは会議室を開催するホストに対する課金であるという点がメリットです。

1IDは月額2000円で、1日に4回も5回も授業を開催することが可能です。他のツールに比べると圧倒的に費用面でのアドバンテージがあるのです。
※ちなみに教育アカウントをまとまった数で法人契約するとかなり価格が下がります。

資金力のある塾はそう多くはなく、少しでも安くいいものを入れたいと考えているはずです。その意味ではzoomの課金体系は塾にとっても大変ありがたいものとなっているはずです。

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zoom授業で本当に対面授業の代わりになるのか

そんな理由でzoomが一気に学習塾業界に広まってきたわけですが、果たして対面指導の代わりになり得るのでしょうか?

結論から言うと、完全な代替策にはなりません。

ライブ感や先生の熱意は対面ほどは伝わらない

授業担当者の工夫次第ですが、対面の授業ほどの熱意やライブ感はやはり損なわれてしまいます。
Web越しに見えている先生と本当に目の前にいる先生では、影響力に若干の差が出るようです。
また、機材を扱うことで、塾の名物先生独特の「間」がうまく取れなかったり、授業で大事にしているリズム感というのが少し損なわれてしまいます

一方で、わざわざ塾まで行かなくてもよいという移動の手間と時間を節約できるわけですから、メリットデメリットが相殺しあっているようにとらえるべきでしょう。

ホワイトボードの字は少しぼやける

塾によってはホワイトボードを使って、授業内容を説明し、PCなどのカメラで移しているところもあるようです。

現在、世界的にネットワークが混雑しているというニュースがありますが、ホワイトボードなどを移した先生の画像が粗くなることがあるようです。したがって、頑張れば授業内容がわかるが、そのためにかすかなストレスを感じ続けているという状態です。

この点も対面授業には少し劣ってしまうところでしょう。

zoomの脆弱性が話題になったが大丈夫か

zoomを多くの塾が利用していると聞いて、不安になる人もいるかもしれません。

結局、Zoomは使っても大丈夫なのか?
コロナ禍でテレワークの需要が高まる中、一気に知名度を上げた「Zoom」。しかしユーザー数の急増に伴い、セキュリティの不備が次々と発覚している。Zoomを使っても構わないのか? 慎重になるべきか? 問題点と対策を整理した。

上記の記事でも指摘されていますが、今、zoom社は世界中のセキュリティ担当者から監視されているある意味とても恵まれた環境にあります。

発見された問題点を素早く解決すべく、3か月は機能拡張をせず、社内エンジニアをすべてセキュリティ対策に充てるという方針もあり、1か月で数回にわたるアップデートが繰り返されてきています

授業であまり細かい個人的な内容を離さない限りは問題がないように思えます。

特に、無関係な第三が勝手に入れないようにする工夫は塾側にも必要でしょう。少なくとも、ミーティングに入る際に待機室機能を使ったり、パスワードを設定しておけば、悪意ある第三者が紛れて入ってくる可能性は極めて少ないと思います。

その辺りは各塾のシステム担当者の力量が問われるところだと思います。

皆さんが通っている塾はどんな風になっているか確認してみるとよいでしょう。

まさお
まさお

いかがでしたか?
多くの塾がzoomを選ぶのはそれなりの理由があります。一方でzoomで授業を受ければすべてが解決かというとそうでもありません。やはり通常の対面式の授業の方がメリットは大きいでしょう。

一方で、新型コロナの終息はまだまだ見えません。この環境も慣れれば十分学習は進められると思います。安全に健康に学びを継続していくためには、この環境に早く慣れてしまうことが大事なのだと思います。

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