【コロナ追試】文科省が高校入試でも追試験の実施を要請

教育に関する政策
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
6/22、文部科学省は高校を設置している各自治体等に対して、「令和3年度高等学校入学者選抜等の実施に当たっての留意事項について」という通知を出しました。
大学入試の実施要項の発表が終わったことを受け、高校入試側の対応についても留意点をまとめた格好です。

今回は「高校入試実施の留意事項」を取り上げます。

見出し

この通知は高校入試実施者に対する実質的な要請
⇒本来各自治体が決めることに対して文科省が言い回しに中止つつ、追試験の設定をするように圧をかけている状況
今後各自治体が追試験の実施を発表する可能性が高い
⇒この要請を受け各自治体は発表済みの募集要項に修正をいれてくるのでは?

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文部科学省の通知内容

例によって、文部科学省の通知の内容を最初に確認しておきましょう。以下のリンクから本文を確認することができます。

https://www.mext.go.jp/content/20200623-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf

要点は以下の通りです。

1.試験実施に際しては感染対策を徹底してほしい
・実施日の防疫施策の実施
・受検者への健康管理の呼びかけ
・試験監督に代替者の用意をしておく

2.追試験による受験機会の確保
・今後第2波などが来た場合に、コロナ感染者が受験できずに終わってしまうことがないように追試験の設定に努めてほしい
・中学校では各高校の追試験情報を積極的に生徒・保護者に告知をしてほしい

3.高校入試実施日程の決定
・高校入試の実施日程は各自治体等実施者の判断で決定してよい
・現時点では例年通りの日程で差し支えないと考えられる
・日程の決定にあたっては追試験の実施などに配慮して決定をしてほしい
・決定した日程はできるだけ早期に公表してほしい

4.試験実施が困難な場合の対応
・今後の第2波に備えて、実施が困難になった場合の対応をあらかじめ準備しておく
・その際に追試験や別日程をいつにすべきかは関係機関と連携して決めておく
・延期措置を講じた場合は文部科学省に速やかに報告してほしい

まさお
まさお

至極まっとうな内容だと思いますが、実施主体が文科省自身ではないことが高校入試の難しさです。もう少し解説を加えます。

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今回の通知の意味するところ

お役所らしい回りくどい表現を使っていますが、この通知に沿って日程を考慮せよというメッセージが明確に伝わってくる内容です。

たとえば、「3.高等学校入学者選抜等の実施日程等の決定について」の以下のような表現は特徴的です。

高等学校入学者選抜等の実施日程は、各実施者の判断により決定されるものですが、現段階では、例年と同様の時期に実施していただいて差し支えないと考えられ
ます。

実施日程は、各実施者が決めてよいし、現段階では例年と同様の時期の実施でも構わないという、何も言う必要のないことを前置きとして書いています。
その上で、以下のような文章が後に出て来ます。

なお、実施日程を決定するに当たっては、2.追検査等による受検機会の確保にも配慮した上で、適切な日程となるようお願いします。

実施日程の決定に際しては追試験を入れた上で適切な日程になるようにせよということです。

つまり、「高校入試は自治体単位の試験なので、各自治体で決めてよいが、追試験等による受験機会の確保はしてね」というメッセージということになります。

まさお
まさお

さらに言うと、すでに高校入試日程を発表している自治体も改めて日程を検討しなおし、必要に応じて修正を入れよという要請になっています。言葉は回りくどいですが、メッセージは言うこと聞けよというように読み取れる表現です。怖いですね…。

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高校入試における追試験の難しさ

これまでも文科省からの要請があって、65%程度の自治体は高校入試に追試験を設定していました。募集終了後に欠員が生じている学校が行う二次募集と違って、本試験で定員充足させてしまうと、追試験での入学者は募集定員枠とのズレを生んでしまう可能性があります。

今回の要請で、ほぼすべての各自治体が追検査を実施するとなると、この追試験の受験者数・合格者数をどの程度読んでおくかが悩ましい問題となります。

例えば昨年度追検査を実施した東京都を例にとると、2020年度入試(この春の入試)において、追検査を申請した生徒は4名でした。
この4名に対して3月10日に試験を実施し、3月16日に合格発表をしています。

これは、申請者が4名だったから募集定員に対する影響が軽微で対応可能だったわけです。万が一この申請者が200名とか500名とかと増えてくると、もはや誤差ではないほどの合格状況になってきます
3月16日に合格発表すると、そこから入学予定の私立を辞退することで、私立に欠員が生じ私立側も追加繰り上げ合格を出してくる可能性があります。
その私立の繰り上げによっては都立に穴が開く可能性があり、生徒の取り合いのような状況になる可能性があります。

大学入試の場合もそうでしたが、入試日程が後ろ倒しになればなるほど判断が難しくなりがちです。体調管理に留意した上で、正規日程一発で合格を決める安定感が一番大事なのだと思います。

まさお
まさお

受験生にとって追試験の設定はセーフティネットとしてうれしい制度なのですが、日程が3月後半ギリギリになりなかなか進学先が決まらないという心理的な負担は多いと思います。やはり体調管理をきちんとして本試験で決着がつくようにしたいですね。

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