
こんにちは。まさおです。
11/5、学習院大学が2020年春の一斉休校が感染抑制に効果があったかを厳密に調査した結果、効果は見いだせないという結論に至ったと発表しました。
これまで一斉休校の感染症抑制効果については、効果があるという論文と効果がないという論文が半々の状況で、これに対して一定の決着をつけたという格好になっています。
今回のテーマは「一斉休に感染抑止効果はなかった」です。
◆学習院大学の福元教授の論文がNature Medicine誌に掲載
⇒これまで学校の休業に効果があるか因果関係を厳密に調べられていなかった
⇒調査結果として小中学校の一斉休校に感染抑止効果は見いだせない
◆すべての感染症に休業が無意味ということではない
⇒2020年春段階の新型コロナは小中学生への感染力が弱かった
⇒感染力の強いウイルスの場合は休業に効果がある可能性も考慮が必要
感染者の状況や休業状況を日単位で監視し政策的判断が必要
学習院大学の発表内容
学習院大学がプレスリリースで以下の記事を発表しています。
ポイントは以下の通りです。
- 2020年春の日本における小中学校の臨時休業が、新型コロナウイルス感染症の蔓延を抑制したという効果は見いだせない
- 本研究は休業と感染者数との間に因果関係がどれほどあるかを厳密に推定した
- 感染症対策で学校を休業するかを判断するにあたって、国や地方自治体が、感染症の状況や学校の休業状況を、市区町村単位で日ごとに監視することが重要
これまでの研究では、休業が新型コロナウイルス感染症の蔓延を緩和する効果があるとするものと、ないとするものとが、およそ半々という状況だったそうです。
それを状況の似た複数の自治体の感染者を比較して一斉休校が感染抑止にどのような効果をもたらすのかを比較するという手法で検証しています。

上記の黒い実線と赤い実線を比較するとわかる通り、10万人当たりの感染者数は黒い実線の方が赤い実線よりも高くなっているところが多いことがわかります。
ここにたどり着くまでの詳細は記事はこちら(論文の原本・英語版)に出ていますが、素人が理解できる範囲としては、休校の有無と感染抑止は相関しないということだと思います。

個人的には、一斉休校と感染抑止の関係について、これまでの論文では効果の有無が半々という状況だったということに驚きました。
今回の論文の評価はこれから賛否出てくるのだと思いますが、実感としては一斉休校にあまり意味はなかったのかも…と思います。
全ての感染症に休校が無意味というわけではない
一方で、この論文が意味するところは2020年春の新型コロナウイルスの感染拡大時の対応についての評価であるということは注意しておく必要があります。
当時の新型コロナウイルスは低年齢層の感染例が少なく、原因はよくわからないものの子供への感染はあまりしないものという状況でした。
一方で2021年8月のデルタ株の蔓延によって、低年齢層の感染はぐんぐん増えて、11月2日週の新規感染者数は10歳未満の方が50代の感染者数よりも多い状況になっています。
このような背景となる状況を正しく理解して論文を読まないと、その意味するところを誤って捉えてしまう可能性があります。
結論として、「 国や地方自治体が、感染症の状況や学校の休業状況を、市区町村単位で日ごとに監視することが重要」となっている通り、現状把握と政策的決定の緊密に連携させることが重要なのだと思います。


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