こんにちは。まさおです。
小学校や中学校で力を入れて教える漢字の筆順やとめ・はね・はらいの字形。文化庁ではそんなにこだわらなくてもよいという緩い基準を示していますが、学校や塾では厳しく教えるところもまだまだ多い状況があります。
時代も変わり手書きも減る中、このままの漢字指導でよいのでしょうか?
今回のテーマは「漢字のとめ・はね・はらいと筆順」についてです。
漢字指導は再考の時期
これまでの小学校の国語の授業では漢字を正しいか基準やとめ・はね・はらいで書くことが大変重要視されてきました。
学校の漢字ドリルでも、書き順例やとめ・はね・はらいの留意点などが書かれており、テストでもとめ・はね・はらいが不正確で不正解とするケースも多く存在します。
最近はこの漢字の筆順やとめ・はね・はらいが多少不正確でも許容する動きが広まってきています。
上記は、EduAの記事ですが、今は筆順やとめ・はね・はらいが正しいことをあまり意識する時代ではなくなって、むしろ書かれた文字がきちんと相手に読めるかどうかという点を意識する方が重要になってきています。
その意味では、漢字を学び始める小学校はともかく、中学校以上では筆順やとめ・はね・はらいは採点対象にしないことを徹底するような動きがあった方がよいのではないかと思います。
塾の先生の中には、筆順やとめ・はね・はらいを正確に教えることに命を懸けているような人もいて大変厄介です。自分もある程度は正確に漢字を書いたり筆順指導をしたりできますが、今の子供たちには相手に読みやすい字を書くことを教えれば十分と考えています。特に筆順は中国や台湾と日本でも異なっており、何ら根拠もないようにも見えますし、明らかに不自然な筆順も多数存在しています。あくまで目安と考えるのがよいと思います。
文化庁のガイドライン
文化庁は2016年に以下のようなガイドラインを出しています。
漢字の字体・字形については,昭和 24 年の「当用漢字字体表」以来,その文字特有の骨
文化庁「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について」より
組みが読み取れるのであれば,誤りとはしないという考え方を取っており,平成 22 年に改
定された「常用漢字表」でも,その考え方を継承している。
しかし,近年,手書き文字と印刷文字の表し方に習慣に基づく違いがあることが理解さ
れにくくなっている。また,文字の細部に必要以上の注意が向けられ,正誤が決められる
傾向が生じている。
今回の報告では,漢字の字体・字形について詳しく解説するとともに,常用漢字(2,136
字)全てについて,印刷文字と手書き文字のバリエーションを分かりやすく例示している。
この指針は、日常生活における漢字の使用状況と学校などでの指導の実態がずれていることを念頭に書かれていることは間違いありません。
学校指導で字体・字形にこだわって丁寧に教えても、その後の生活では学校での指導とは異なった字体・字形が氾濫しているため、考え方を改めるべきというスタンスで受け止めるべきだと思います。
小学校低学年など、漢字の導入時期は指導の在り方として一定の漢字の字形・辞退にそろえて指導をすることは大事なことだと思いますが、高校入試などで筆順やとめ・はね・はらいに過度に注目して正解・不正解をつけるといった対応は時代と乖離していると考えるべきでしょう。
一部の公立高校の入試の模範解答では漢字の異体字を正解とするなどの対応もとられていますが、まだまだ学校や塾の漢字指導は字形・字体に不寛容な状況があるように見えます。
改めて漢字指導の在り方について考えていく時期ではないでしょうか?
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