こんにちは。まさおです。
8/9、宮城学院女子大学は2022年2月4日実施の一般選抜(A日程)において、「世界史」の問題に出題ミスがあることを公表しました。
当該問題について全受験生を正解か使いとしましたが、合否に影響はないとのことです。
今回は「宮城学院女子大学の出題ミス」を取り上げます。
ミスの内容を見るとお粗末な感じがしますよ・・・
宮城学院女子大の出題ミスとは?
8/9、宮城学院女子大学は2022年2月4日に実施した一般選抜(A日程)の「世界史」の出題内容にミスがあったと発表しました。
受験者は31名で当該問題を全員正解にしましたが、合否に影響が出る受験生はいなかったとのことです。
詳細説明をしたPDFはこちら。
世界史選択出ない人には少しわかりづらいかもしれませんが、ミスの内容を確認したいと思います。
ミスのあった問題文の抜粋
Ⅲ 次の文章を読んで,あとの問いに答えなさい。
・・・革命を指導していたロシア社会民主党は、少し前に右派のメンシェヴィキと、[空欄ウ]が率いる左派のボリシェヴィキに分裂していた。メンシェヴィキの[空欄エ]が首相を務めていた臨時政府を・・・
上記の空欄ウ・空欄エの解答が正しく出せないというのがポイントです。
大学側による「ミスの内容」説明
メンシェヴィキとボリシェヴィキの母体はロシア社会民主党ではなくロシア社会民主労働党であり、ロシア社会民主党という党名は必ずしも一般的ではない。また、高校の教科書ではロシア社会民主労働党で統一されていることから、入試問題の文章としては不適切である。よって[空欄ウ]についても、受験者に問うことは不適切と判断した。
また、「メンシェヴィキの[空欄エ]が首相を務めていた臨時政府を,……」と記されていることについても、[空欄エ]の正解とされる「ケレンスキー」は社会革命党の政治家であって、メンシェヴィキの政治家ではなく、そもそも臨時政府の首相でメンシェヴィキに属した人物は存在しないので、当該箇所は不適切な文章となり、[空欄エ]は正解なしと判断した。
空欄ウは問題文に記載されている政党名が教科書の表記と一致しないという基本的なミスです。
空欄エも正解となっている「ケレンスキー」の所属する政党が間違っているという基本的なミスです。
ちょっと知識があればこれはおかしいと気づけるのではないかと思います。
内容的にはお粗末というしかないレベルだと思います。
このレベルのミスがなぜ起きるのか?
今回のミスは合否に影響が出なかったので事なきを得ていますが、このレベルのミスがなぜ起きてしまうのか?を考えないといけないです。
学校側は「ミスの発生要因を精査し、問題確認の徹底を行い、再発防止に全力を尽くします。」と言っていますが、逆に言うとこの段階でミスの発生要因が精査されていないとも受け取れますね。
ここに大学入試の難しさがあるなと思います。
31名の受験者のための問題を誰が作っているのか
今回、世界史の受験者は31名ということで、大学受験の規模としてはかなり小さい部類だと思います。
選択科目は受験者が分散することが多いため、英語や国語に比べて受験者数が少なくなりがちです。大学側も学生確保のための試験日程の分散などで多くの試験問題を準備しなければならず、これが大きな負担になっていると思われます。
宮城学院女子大学がどのように作問しているかは知ることができないですが、多くの大学で入試問題作成の外部委託が行われており、今回も世界史の知見に詳しいいわゆる学者の先生が作られているようには思えない基本的なミスが発生してしまっています。
あくまで仮説ですが、入試問題を外部に委託して作ってもらっており、その精査をせず、全て正しい前提で試験本番にこの問題を投入してしまったというのが真相ではないかと予測します。
小規模大学は共通テスト型に集約するべき
このようなミスが頻発するようであれば、やはり大学側に試験問題を作る余力がないと判断して共通テスト型に集約する方が受験生にとってはメリットがあるように思います。
大学側の立場では、個別試験をやった方が受験料収入等が見込めるため、簡単にすべてを共通テストに移せないという事情があるのかもしれませんが、それなら選択科目のみ共通テストスコアを使い、自校作成できる問題のみ自校で準備するなどのメリハリが重要だと思います。
この時期にミスが発覚しているのも、次年度向けの問題準備をするにあたって前年の問題精査を行ったのか、外部からの指摘があったのかだと思いますが、時期としては遅い方だと思います。
入試当日に、大学の職員が受験生と一緒に問題を解いて内容精査をする体制はどの大学でも必ず採ってほしいと思います。
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