こんにちは。まさおです。
9/22、東京都教育委員会は定例会議で2023年度都立高校入試でのスピーキングテストの導入を正式決定しました。
都議会では9月定例会議でこれを廃止とする条例案が提出されていますが否決の可能性は高く、いよいよ導入決定となってしまいそうです。受験生としてはやるなら対策をしないといけないですよね。
今回のテーマは「都立高校入試スピーキング導入となった場合の対策」について取り上げます。
都教委はスピーキングテストの正式導入を決定
9/22、東京都教育委員会は定例会議の場で、令和5(2023)年度都立高校入試においてスピーキングテストの正式導入を決定しました。
世間的には相当批判されていますが、これまでの準備にも相当予算を使っていることもあり、教育委員会の力では中止はできないというのが実際のところだと思います。
定例会議の中では中止の条例案が出ていることなども話題に上がってはいたようです。
都議会ではスピーキングテスト中止の条例案が審議中
上記の決定と並行して、現在開催中の東京都議会では、都立高校合否判定にスピーキングテストを使えないようにする条例案が提出されており、10月7日の都議会最終日に採決される予定です。
この条例案が成立すれば、スピーキングテスト自体は実施されるものの入試には使われなくなるということになります。
一方で、この条例案が成立するには小池都知事の母体である「都民ファーストの会」の一部議員が賛成に回る必要があります。都民ファーストの会はこの条例案変賛成派反党行為として処分対象になるとしており、結果的に否決される可能性が高そうです。
都知事を出してる政党が都の政策に反対するのはかなり異例なので、常識的にはありえないと思います。一方で、万が一これが成立すれば小池都知事の体制そのものが揺らぐレベルに発展する可能性もあり、状況は注視しておく必要があると思います。
導入となれば対策が必要
制度としていろいろ欠陥があるにしても、導入となれば対策も考えないといけません。
制度への反対の意思表示として受験しないという選択肢もあるかもしれませんが、中3の子どもを巻き込む話なので、そのような対応はあまり良いものではないと思います。
きちんと決まったことには従いつつも、問題点があるならきちんと意見を表明する姿勢が大事ではないかと思います。
一方で、スピーキングテストが導入されることにより、東京都の中学生のスピーキング能力は一定レベル底上げされることも間違いありません。
入試への導入で悪いことのように叩かれていますが、教育施策としてはこれだけの予算を投じてスピーキングテストができるのはやはり東京都の経済基盤などがあってのことだとも思います。
施策としては全国に先駆けてスピーキングテストを一斉実施することについて、もっと評価されてもよいと思います。
施策には必ず功罪両面が存在します。今回は入試の合否判定のやり方に少し無理があるように見えますが、スピーキングの能力をきちんと身に着けて自分の力がどの程度かを測るテストに臨むという経験自体は貴重な学習機会だと思います。
GTEC Coreがスピーキングテストに酷似
今回のスピーキングテストは、ベネッセに外部委託して実施されます。その内容はベネッセが実施している民間英語検定の「GTEC Core」に酷似しているということでこれも批判の対象となってきました。
このブログでも過去にご紹介をしています。
出題形式などを比較してみると酷似していることが明らかです。
出題形式
パート | ESAT-J 出題形式 | ESAT-J 出題数 | GTEC 内容 | GTEC 出題数 |
---|---|---|---|---|
Part A | 英文を読み上げる | 2 | 音読 | 2 |
Part B | 質問を聞いて応答する 意図を伝える | 4 | 質問を聞いて応答する | 4 |
Part C | ストーリーを英語で話す | 1 | ストーリーを英語で話す | 1 |
Part D | 自分の意見を述べる | 1 | 自分の意見を述べる | 1 |
Part A~Part Dまでの構成がほぼ同じ
解答時間
パート | ESAT-J 準備時間 | ESAT-J 解答時間 | GTEC 準備時間 | GTEC 解答時間 |
---|---|---|---|---|
Part A | 30秒 | 30秒 | 30秒 | 30秒 |
Part B | 10秒 | 10秒 | 10秒 | 10秒 |
Part C | 30秒 | 40秒 | 30秒 | 40秒 |
Part D | 1分 | 40秒 | 1分 | 40秒 |
Part A~Part Dまでの準備時間・解答時間も全く同じ
明らかにGTECの枠組みを利用して構成していると思われるので、逆に言うとGTEC対策がそのままスピーキング対策になると考えることができます。
スピーキング対策とはGTEC対策
このような背景から、都立高校のスピーキングテスト対策は、「GTEC Core」の対策をすればよいということになります。
では、GTEC Coreの対策とはどうすればよいのでしょうか?
GTEC Core対策3つのポイント
英会話の塾や進学塾でもスピーキングテスト対策をしてくれているのであれば、それに乗っかるのが一番良いと思いますが、そういう塾には通っていない人も多いでしょうから、ポイントを3つご紹介します。
1.GTECの情報収集
まずはGTEC Coreがどのような試験化をきちんと把握することが大事です。
まずはベネッセのWebサイトで問題サンプルを確認しましょう。
上記リンク先のページに「話す問題」というコーナーがあります。
そこにサンプル問題が出ていますから、まずは之を見ておくことが大事です。
GTEC Core用の問題集はありません。少しレベルが上がってもよければ、GTECのスピーキング対策問題集を取り寄せて対策をとってみるというのは有効だと思います。
学力に自信がある人は良いのですが、ちょっとレベルが高いかもしれません。
2.ブログやYoutubeで情報収集
次に、YouTubeやブログでGTECの対策をいろいろ指南してくれる方が存在します。
その内容についてはレベルをきちんと見極めないといけないのですが、以下のような解説動画は少なからず参考になると思います。
YouTubeでの解説動画の例
パートA対策
パートB対策
パートC対策
パートD対策
YouTubeには上記以外にもポイント解説動画があると思いますので、受検生本人が様々な動画を探してみるとよいでしょう。
3.自分で実際に声を出して話してみる
ポイント1・ポイント2で情報を集めたら、ベネッセWebサイトのサンプル問題や都立高校のサンプル問題をベースに自分で声を出して体験してみることが大事です。
スピーキングの得点は内容ももちろん大事なのですが、まずは自分の考えを相手に伝えようとする姿勢が評価されます。
間違ってもいいので、大きな声ではっきりとまずは発声するようにしましょう。
それを何度か繰り返していくと、一定のフレーズをスムーズに口に出せるようになるので、そのフレーズの単語を入れ替えて本番に備えるといった対策が有効だと思います。
対策のポイントをまとめると以下の通りです。
1.GTECに酷似していることを前提に考えること
2.Webサイト等でまずは実際の問題に当たってみること
3.対策本がないのでYouTubeなどを使ってどんな対策をやっているか調べてみること
4.実際に自分で発音をしてみて本番に備えること
上記のような対応を何回か繰り返すだけで相当力がつくと思います。
必要に応じて塾や学校の先生にも相談してみましょう!
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