【24年度から完全撤廃】都立高校男女別定員対応の今後

都立高校男女別定員対応の今後教育に関する政策
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
9/22、東京都教育庁は令和5年度東京都立高校入学者選抜検討委員会の報告書を公表しました。
来年実施の都立高校入試の骨子がまとまっています。
男女別定員の緩和やスピーキングテスト導入などで話題の多い都立高校入試ですが、次年度の男女別定員の扱いはどうなるのでしょうか。

今回は「令和5年度都立高校入試の男女別定員対応」を取り上げます。
男女別定員以外の検討事項も順次このブログで取り上げる予定です。

令和5年度都立高校男女別定員対応

◆男女別定員緩和措置の拡大
⇒令和5年度入試では10%だった男女別定員の緩和措置を20%に拡大
20%への枠拡大で実質ほとんどの学校が男女別定員撤廃と同じ状態になる見込み
◆これまで合格していた男子が不合格に
⇒不合格になった場合の受け皿の私立高校は男子の定員が少ない
⇒男子が確実に合格したければ、模試結果をきちんと見て少し安全志向での出願が必要
男子の出願先が調整されれば男子の受け皿は確保されるはず

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令和5年度都立高校入試の検討骨子

9/22、東京都教育庁は「令和5年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会」の報告書を公表しました。

報告書本体はこちらから。

来年実施の都立高校入試の内容はこうあるべきという報告書になります。都立高校入試は全国で唯一、男女別の定員が設定されており、これまでも不公平だという批判を受けてきました。

男女別定員の緩和策をとって順次男女の格差をなくす対応をとってきましたが、今後の対応の行方が報告書内に書かれています

まさお
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結論から言うと、来年度で一般入試の男女別の差はほぼなくなることになりそうです。
最後に推薦入試が残りますが、推薦入試は次年度も男女別定員のまま実施となり、令和6年度以降推薦入試も男女合同募集という流れになりそうです。

男女別定員の何が問題?

都立高校入試でたびたび話題になる男女別定員ですが、何が問題なのでしょうか?

東京都はもともと私立高校の設置数が多いのですが、その多くが女子校で男女の募集定員の比率が女子に偏っています。

区分令和4年度
学校数
令和4年度
募集人員
令和3年度
学校数
令和4年度
募集人員
学校数
増減
募集人員
増減
男子校182,641182,7050-64
女子校447,631468,071-2-440
男女校12026,99311927,1611-168
18237,26518337,937-1-672
令和4年度東京都内私立高校入学者選抜実施要項より
まさお
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上記の通り、都内の私立高校は男子校18校に対して女子校が44校と2倍以上あり、募集定員も男子よりも女子の方が5,000名程度多いという状況です。

これまでは、私立高校の女子の受け皿の多さに対するバランス対応として、都立高校の男子の募集枠を増やしていました。

一方で上記の対応をすると、都立高校の女子の合格最低点が男子よりも高くなるという問題が発生して、これが不公平だという批判を受けてきました。

まさお
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実際、令和4年度の入試においても女子が男子よりも30人程度合格者数が少なく、合格ラインの男女差が50点も開いていた事例が報告されています。
事実としては明らかに女子が不利な学校が存在しているということです。

都立高校の男女別定員緩和策とは?

このような流れを受けて、都立高校では、公私間のバランス問題から従来の男女別定員をすぐに撤廃できない事情を踏まえて、男女別定員を緩和する施策を全校に導入する対応を令和4年度からとっています。

具体的には以下のような方法です。

東京都教育委員会資料より
まさお
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募集定員の最後の10%を男女合同で得点を並べ、性別に関係なく得点の高い方から合格にするという手法です。

来年度以降はこの男女別定員緩和策の10%という枠を拡大していくことになっていきます。

この施策の効果は以下の記事で解説しています。

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令和5年度以降の対応はどうなる?

男女別定員の緩和施策について、冒頭の報告書では以下のような記載をしています。

ウ 今後の取組の方向性
 学力検査に基づく選抜において男女合同選抜への移行措置として、男女別定員制の10%緩和、20%緩和、推薦に基づく選抜を含めた男女合同定員制とする3段階で、段階的に移行する方向で検討を進める。

「令和5年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書」より

上記の通り、
・10%緩和
 ↓
・20%緩和
 ↓
・推薦に基づく選抜を含めた男女合同定員制
という3段階で定員緩和を行うという流れになっています。

端的に言うと、来年度は緩和枠を20%に拡大し、その結果を分析後に推薦入試も含めた完全撤廃になるということです。

令和6年度(2024年度)には男女別定員の完全撤廃になる見通しです。

まさお
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時代の流れからすれば、この結論は既定路線ということだと思います。世の中はジェンダーフリーの流れも加速していますから、男子校・女子校という枠組み自体も今後なくなっていく可能性も高いと思います。
まずは当面の課題の一つに一定の目途が立ったと捉えてよいでしょう。

男子は出願先に注意

一方で、これによる副作用として、これまで合格していた男子が不合格になるということが挙げられます。

不公平だったボーダーラインをそろえるわけですから、ある意味当たり前と言えばそうなのですが、これまで合格していた男子は注意が必要です。

特に、私立高校の定員が男子は少ないので、都立高校1校のみ受験というパターンはやめて、きちんと私立高校の合格校を取ったうえで都立高校受験に臨む必要があります。
都立高校不合格後に受け入れてくれる私立高校がほとんどないということです。

男子が今後注意するポイントをまとめると以下の通りとなります。

男子の受験上の留意点
  1. 必ず私立高校の合格を取ってから都立受験に臨む
  2. 都立高校の出願先は模擬試験の志望者数動向を見て検討する
  3. 必ず合格したければ、女子の応募者の多い学校を避ける
まさお
まさお

おそらく、この数年で偏差値と内申点のボーダーラインが男女共通で見えてくるようになると思います。それまでは男子は少し安全志向で考えた方がよいでしょう。
特に、内申点があまり良くない男子は注意が必要です。

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