高校入試の面接対策、効果的な準備と答え方

高校入試
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面接試験を経験したことのある人は少ないと思います。過去に1000名以上の受験生の面接対策をしてきた経験から、効果的な準備のしかた・答え方をまとめてみました

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最初にチェック! 面接試験をやる目的

受験に限らず、何かをやる際に必ず考えないといけないことは、相手の立場に立って考えてみることです。

面接試験なんて学校側の立場に立ったら、準備も大変だし当日も時間が長いしで、やらずに済むならやりたくないものです。

現に中学入試では多くの学校が面接を廃止してきました。

それでもまだ面接をやる学校にはそれなりの意図があるはずです。
そこを理解しないまま対策を立てても難しいでしょう。

①この生徒を入学させて大丈夫なのか確認したい。
②学力試験ではギリギリ不合格でも入学後伸びそうな生徒なら合格させたい。

学校にとっては3年間責任を持って生徒を預かる上で、合格者の最終確認をしたいのです。

面接に臨む受験生としては、

面接者が「この生徒はぜひ入学させたい」と思うような言動をすれば良い

と分かりますね。

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準備項目は2つに分けて考える ~見た目(形式)と中身~

面接で見られる項目は、2種に分けて考えましょう。

①見た目(形式上の評価)
 服装や入退室時の動作、言葉遣いなどの形式面の評価。
 模範的な動作を確認したら、実際に練習して身に着ければOKです。
②中身
 質問への回答内容、個性など。
 こちらは、人物が透けて見えるので、代表的な質問を想定した準備が必要です。

ただ、入試の主役は学力試験の方なので、面接対策にあまり時間をかけるのは得策ではありません。2つの視点で回答の軸を作って、その軸に沿って回答することを心がければ大丈夫です。
詳細は後ほど説明します。

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見た目(形式面)のチェック項目

(1)服装
制服のある学校は制服を着用します。私服の学校は、ブレザーやワンピースなど改まった場に来ていく落ち着いた服装でいけばOKです。

①入学試験の面接という「自分が評価される場」であることをわきまえる
 華美な装飾はせず、落ち着いた感じが伝わればOKです。

(2)入退室の動作
「相手に礼を尽くす」という気持ちが大切です。
何歩歩いてから、ノックをして、お辞儀は何度でといったことを覚えてもよいですが、緊張すると覚えたとおりにできないので、要点を絞って頭に入れておきます。

入り口のドアが閉まっているときは、相手に聞こえる少し大きめな音でノックをする
入室したら「失礼します」と言ってお辞儀をする
座席の前まで行ったら「おかけください」と言われるまでは起立したまま
座ったら背筋を伸ばしてひざの上に手を置く

ポイントは相手に伝わるようにはっきりと動作を行うことです。
失礼がないように心がければ多少の失敗はOKです。気持ちが大事です

(3)言葉遣い
普通の敬語は使えるようになっておきたいところです。
自信がない場合は「~です」「~ます」の丁寧語をきちんと使いましょう。

①相手にはっきり聞こえる声を出すことを心がける。
 相手にきちんと伝えようという意思が感じられることが大事。
②「~です」「~ます」の丁寧語をきちんと使う。語尾をはっきりと。
 尊敬語は使えた方がよい。最低限以下の言葉は抑える。
 「(目上の人が)おっしゃった、いらっしゃった」
 両親のことは「父」「母」と呼ぶ

中身(人物像・個性など)のチェック項目

代表的な質問は2つです。以下の質問を中心に自分の軸を決めておきましょう。

① 志望理由
② これまで力を入れてきたこと
  自己PRや長所・短所なども上記2つの内容と関連付けて整理しておきます。

(1)志望理由
どの高校もこの質問で人物像を把握しようとします(志望理由はきっかけにすぎません)。
とはいえ、そんなに特徴的な学校なんて数が少なく、似たり寄ったりの答えになってしまいます。
学校見学に行っていればその時の印象をベースに自分の性格と引き合わせて回答を準備します
学校見学に行った際に在校生が伸び伸びと自分の居場所を持っているように感じました。

こんな回答例が一般的です。自分の言葉で言えるようにしておきましょう。

面接回答例①

学校見学に伺った際に、在校生の皆さんが伸び伸びと笑顔で過ごしている姿が印象的でした。 自分の将来を決める3年間を自分らしさを見つけられる環境で過ごしたいたいと思いました。

面接回答例②

中学時代、真面目に勉強したかったけれど、友だちに合わせるとあまり勉強の話ばかりはしづらい状況でした。
この学校ではみんなが伸び伸びと自分のやりたいことに打ち込み、それをお互いに尊重しているように感じました。この学校で、もっと勉強したいのです。

面接回答例③

貴校に見学に伺った際に在校生の方が見学に来た自分に、元気な挨拶をしてくれました。私も元気が出ました。高校生活では人と人とのつながりを大事にしたいと思い、このような環境で自分も高校生活を送りたいと思いました。

などです。

(2)これまで力を入れてきたこと
志望理由は自分の考えを述べる質問なので、はっきりいえばウソでもなんでもきれいな言葉を並べて答えられてしまいます。
こちらの質問は受験生が中学時代にどんなことをしてきたか、行動の実績を確認したいという背景でよく聞かれます。

一般的には部活動や学校行事に取り組んだことをこたえるケースが多いのですが、ただ頑張ったなどではなく、具体的な状況とそこで自分が何を考えてどんな行動をしたかを入れるとよいでしょう。

こんな回答例が挙げられます。

面接回答例①

中学時代には部活動のバスケットボールに力を入れました。私の部活は決して強い方ではなかったのですが、みんなバスケットボールが大好きでした。
試合では部活の仲間たちみんなが相互に声を掛け合って、バスケットボールを楽しむことを意識しました。1回戦で負けてしまいましたが、強いきずなで結ばれた良いチームを作れました。

面接回答例②

中3の夏休みの自由研究に力を入れました。将来法律関係の仕事に就きたいと考えていたので、裁判の傍聴に行きました。テレビドラマではない、実際の裁判の場面を直接見るのは初めての経験なのでとても刺激的でした。特に、弁護人が犯罪を犯した被告に反省を促している場面があり、弁護しかしないと思っていた自分には意外でした。

大切なことは、自分がどのような考え方を大事にしているかを背景に持つことです
友達を大切に、かけがえのない時間を大事に過ごしたい」とか、「将来の夢に向かって本物を見たい」とか、大切にしていることを意識しておくことです。
自己PRや長所短所も考え方の軸がしっかりしていれば、長所として「誰とでもすぐ仲良くなれる」、短所として「友達との関係に気を使いすぎてしまう」などと整理できると思います。
長所と短所は裏表の関係なので、長所を一つ決めたら、それによるマイナス面を考えて整理するのがわかりやすいと思います。

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