こんにちは。まさおです。
6/8、文部科学省は全国の教育委員会にいわゆる「ブラック校則」と言われる、細かすぎる校則について、時代の変化に合わせて見直すようにという通知を出したそうです。そんなことまで文部科学省が通知をしないと動かないのか、という感じですね。
今回のテーマは「ブラック校則の見直し」です。
文部科学省の通知内容とは
文部科学省の通知内容そのものは文部科学省のHP上で公開されていないようです。
各種ニュースサイトで報道されていますが、以下のような記事が出ています。
不合理な校則を「ブラック校則」と呼び、この校則そのものの見直しを求めるという通知です。
ブラック校則には
・下着の色は白に限る
・特定の髪形を禁止する
などの事例が出ていました。
また、岐阜県の管轄の学校の校則を調査し、一部行き過ぎと思われる校則を変更させた事例なども示して、具体的な対応について検討するように促したという内容でした。
学校側は何が行き過ぎた校則か、気づけなくなっているようです。あるいは気づいたとしても学校の秩序維持のために変更できないという考え方になっているようです。
行き過ぎと言われる校則が存在する理由
そもそも、ブラック校則と呼ばれる行き過ぎた校則がなぜこんなに存在するのでしょうか。
学校が荒れていたころの秩序維持策
今から40年近く前の中学校や高校は、いわゆる「不良」と呼ばれるエネルギーの余った中高生を抑えて学校の秩序を守らせるために大きく2つの施策が実施されました。
1.部活動で毎日必死に練習させてエネルギーを奪う
部活動が教育の範疇を越えて、異常なまでの盛り上がりを見せたのは、中高生をへとへとになるまで疲れさせてそのエネルギーを奪うことを目的としていたからです。
もちろん、部活に打ち込むことには達成感も教育的効果もありますから、全面的に問題ばかりとは言いませんが、これによって学校の先生の勤務は当初の想定から大きく外れ、かなり長い拘束時間になってしまいました。
今、「#教師のバトン」で問題になっているブラックな職場環境の源流はここにあると言ってもよいでしょう。
2.校則を厳しくして生徒に踏み絵を踏ませる
時期を同じくして、校則を厳しくすることで、体制に従順かどうかを見るというような動きもありました。かつての不良はルールに従うことを敗北と思っていましたら、厳しい校則を課すことで、問題を起こす可能性のある生徒をあぶりだすことができたのです。
また、服装の乱れ(学ランが長かったり、スカートが長かったり、化粧をしていたり)を校則で縛ることで大人の管理下に置こうという動きが取られました。
いずれも同時の時代背景からすれば、やむを得なかった話だと思います。
この2つの施策によって学校はなんとかその秩序を維持することができたのですから、間違いでもなかったと思います。
日本は子どもの人権意識が他国に比べて低い
当初は上記のような背景で、問題のなかったブラック校則ですが、今の時代は子どもの権利を重視する時代になってきています。
冒頭話題になった、「下着の色」や「特定の髪形の禁止」というのはいかにも子どもを人権者として見ずに管理下に置いておきたい大人の事情が色濃く出ている典型的な例です。
導入当初はともかく、今の時代にこのルールが通用しないことは学校側もわかっているのではないかと思います。
一方で、ブラック校則の廃止に向けた具体的な動きが取りづらい今の学校にあっては、文部科学省からの通知のような外圧が必要なのかもしれません。
いずれにせよ、子どもに自由とそれに伴う責任や義務を学ばせておくことは、学校を卒業した後社会に出てから大きく役に立つ考え方だと思います。
ただ単にルールを与えてそれを守らせるよりも、なぜそのルールが必要なのかを考えさせることの方がよほど重要だと思います。
今回の文部科学省の通知がよいきっかけとなって正しい校則の見直しが進むことを期待したいと思います。
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