【倍率は?採点ミスは?】令和3年度都立高校入試を振り返る

都立高校入試の振り返り 高校入試
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まさお
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こんにちは。まさおです。
9/24、東京都教育委員会は「令和4年度 東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書 」を公表しました。同検討委員会では令和3年度入試の実施状況を詳細に振り返っており、都立高校入試の実態がよくわかる資料となっています。
この資料を基に令和3年度の都立高校入試がどのように行われたかを確認したいと思います。

今回は「令和3年度都立高校入試を振り返る」というテーマです。

都立高校入試振り返りポイント

◆一般入試倍率は1.35倍で平成15年以降で過去最低
⇒私立高校無償化による影響が大きい
⇒不受検年率は5.5%で過去5年で2番目に高い数値
◆合格発表後の答案相互チェックによる採点ミス
⇒126校中14校22件で採点ミスが見つかった
⇒過去3年では最も少ない。2014年度は1419件あったので激減している。

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都立高校入試振り返り資料

9/24に公表された「令和4年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書」に令和3年度入試の詳細な振り返り内容が記載されています。

令和4年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書【PDF版】

英語スピーキング入試に関しては以下の記事で詳細を取り上げていますので、今回は倍率の推移と採点ミスを中心に取り上げたいと思います。

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一般入試の受検状況

最初に一般入試(正式には「第一次募集・分割前期募集」)の応募倍率の推移を確認したいと思います。

応募倍率の推移

平成8年度から令和3年度までの応募倍率の推移が表になっています。

平成15年度に学区撤廃という制度変更があり、それまで10の学区に分かれていた都立高校が全域で自由に受験できるようになりました。それに伴い、一部の人気校の倍率が上がり、地域のトップ校と言われた学校の受検者が減少する動きもありました。

令和3年度ですが、応募倍率は1.35倍で上記表の中で見ても最低倍率であることがわかります。

これは、私立高校無償化の影響が主たる要因です。令和2年度より年収910万円未満の世帯の私立高校の授業料が無償化されており、学費を要因として都立高校を志望するという層が減っていることがポイントです。

まさお
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青山高校をはじめとすると都立の人気校は学費の問題ではなく、立地や校風といった別の理由で受験生が集まっているので、上記の動きとは別枠で考える必要があります。

不受検率・辞退率

もう一つの視点として、出願はしたけれども試験当日欠席をする「不受検率」や、少数ではありますが合格しても入学手続きをしない「入学辞退率」も公表されていました。

不受検率は5.5%で過去5年では2番目に高い数値、入学手続辞退率は0.42%で過去5年では3番目に低い数字となっています。

令和3年の入試はコロナで不確定要素がありました。入試が長期化する中で私立高校の繰り上げ合格や都立入試前に「やっぱり私立に決めて入試を終わりにしよう」といった理由から都立高校の受検を取りやめた生徒が一定数いたと考えられます。

入塾手続辞退率は不受験率が上がれば、早期に入学意思のない受験生が抜けますから下がってくるはずです。ここ10年程度は0.5%未満で安定しており、大きな制度上の問題はないように見えます。

まさお
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都立高校入試は5教科で受検生の負担も大きく、不合格時のメンタルを考えると、志望医師が低い生徒はこれからも抜けていく傾向が強まると思います。

行きたい学校をきちんと選んで、明確な意思を持って受験することが大事ですね。

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採点ミスについて

毎年様々な学校が謝罪会見を開く採点ミス問題。制度上ゼロにするのはかなり難しいのですが、都立高校は2014年に1400件以上の採点ミスが発覚し、それをきっかけにマークシートの導入など採点ミス撲滅に力を入れてきました

今回の報告書では、過去3年分の総合点検結果の比較資料が出ています。
合格発表後に、答案を学校単位で交換しチェックする総合点検を実施しています。

上記は最新の令和3年度の結果ですが、対象126校で点検をして発見できたのは14校22件という結果でした。

ちなみに、令和2年度は36校51件、平成31年度は23校43件ということで、令和3年度は過去3年度も最も低い採点ミスであったことがわかります。

注目すべきは、22件の内15件が国語の採点誤りであるという点です。
いずれも「部分点のない記述式問題」で、別解が存在して採点が難しかったのかもしれませんが、この原因をきちんと追及する必要はあると思います。

一方で、「部分点のある記述問題」の採点ミスは0件で、少しバランスを欠いた結果にも見えますね。部分点の基準は各学校ごとに裁量があるため、交換チェックだとチェックがしづらいことが背景にあると思われます。

まさお
まさお

このチェックが丁寧に制度田価格実施されているという前提に立てば、都立高校の採点ミス撲滅計画は一定の成果を出していると評価してよさそうです。
茨城県なども採点ミスをなくすことに注力していますが、この取り組みは参考になると思います。

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