共通テストのPCによる解答方式、2024年度導入を見送り

大学入学共通テスト
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
2021年度の共通テストに向けた準備が進んでいる中、大学入試センターは2024年度(現在の中3に当たる学年)に導入を計画していた、PCによる解答方式(いわゆるCBT:Computer Based Testing)を見送る方針を固めたようです。
今回は「CBTの導入に向けた課題」について取り上げます。

PCによる解答方式延期の理由と今後の課題

◆機材の調達と設定が難しい
⇒50万人以上が一斉に受けるテストを処理するPCの調達には時間とお金が必要
⇒時間はともかく、お金は受験料への影響などもあり導入のハードルに
◆実施当日のトラブル対応が難しい
⇒PCなどの機材トラブルが一定数必ず発生する見込み。
⇒それに対する対処法が確立できない

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大学入試センターの導入延期理由

今後詳細の発表があるはずですが概要はこちらの記事から確認が可能です。
上記記事からの導入延期の要点は以下の通りです。

・端末の整備やソフトの開発などで高額な費用がかかる
・国の財政支援がない場合、検定料の引き上げが必要になる
・端末の性能などを統一しないと不公平になる
・トラブルをなくすのは困難である
・振り替え試験日などの対応も必要である

どれも最初から分かっていたことだと思います。よくある、総論はOKで詳細を検討してみると課題にぶつかって頓挫するというケースです。
これまでの英語民間試験の導入見送りや共通テストにおける国語・数学の記述問題の導入見送りと同じ背景のように思います。

そもそも、なぜパソコンでの解答方式に変えようとしていたのかというと、以下の背景がありました。

・音声や動画など多様な方法で出題できる
・解答の回収や採点の時間が短縮できる

特に解答の回収やマークシート答案の採点は、物理的な紙の移動が発生するため、紛失や汚損などのリスクと常に隣り合わせで、コストも神経も使うところです。
記述問題の導入も検討していたことを考えると、PC上に解答をさせた方がデータ保全や採点処理の高速化という観点ではメリットは大きいと思います。

このまま導入はなくなってしまうのか、再度仕切り直しをしてチャレンジするのかといったところが気になりますね。導入する場合はどんな工夫が必要かを考えてみましょう。

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PCによる解答方式を導入する場合のポイント

では、PCでの解答方式を導入したい場合はどうすれば良いのでしょうか?
導入へのハードルを意識して解決策を考えてみたいと思います。

PCの調達が困難

50万人を超える受験生が同日・同時刻に一斉にじゅけする形態をとっている間はPCによる解答は難しいかもしれません。
どのようなシステム構成をするにしても、50万台のPCが一斉にサーバーにアクセスして試験を行うというのはサーバー側の処理能力などを考えるとかなり高額な投資が必要になります。
以下のような対応を採れば解決できるかもしれません。

1.同日同時刻の一斉受験をやめる
米国のSATのように年間に数回の設定があり受験生が分散するようにすれば1回に稼働するPC台数を減らすことが可能。
2.PC端末側で答案処理を行いサーバーへの随時アクセスはしない
PC端末側に試験問題をダウンロードしたら、試験中はネットワークを使わないようにし、全て端末側で完結するように設計する。試験終了後に、解答ログと解答内容をサーバーが混雑していない時間にアップすることにより、サーバー負荷を下げることができる。
ただし、その場合はPC側に一定のスペックが要求されるので、Chromebookなどは使えない。

端末の性能の統一化

従来の試験問題をPC上で制限時間内に解くという形式を維持するとこの問題がどうしても絡んできてしまいます。PCの処理で待ち時間が発生すると、その間受験生は解答できず不公平感が生じるからです。
一方で、同一スペックのPCならすべて同じ性能を発揮するかというとメーカによっても差が出るでしょうから、正攻法で統一するなら、単一メーカーの単一機種を受験者数分調達する必要が出てきてしまいます。
これに対する対処法は以下が考えられます。

1.汎用のPCを使わず、共通テスト用の専用端末を独自に開発する
共通テストの処理に特化したスペックの機材を新たに設計をすると、ロットがそろう分1台当たりの単価は下がるはず。市販のPCをそのまま使えば1台8万円程度はするが、必要機能に絞り込んだ独自機種なら5万円程度で開発できる可能性がある。それでも300億円程度は必要になる…。

トラブル対応が困難である

現在のリスニングもそうですが、機材を使った試験にトラブルはつきものです。これをトラブルなしで運用しようとすると膨大なコストがかかるため、ある程度のトラブル発生を織り込んで全体設計をする必要があります。

1.試験日程を複数化し再試験の受け皿を用意する
試験場ですぐに対処可能であれば、予備機による対応でよいのですが、それが難しかった場合は別日の振り替え試験を実施せざるを得ません。
その場合は、試験日程を最初から複数化しておくことで受け皿を用意しやすくすることが有効です。

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ポイントは従来の概念を棄てること

色々課題と解決提案を書いてみましたが、ポイントは「従来のテストをそのままパソコン上に移植するという考え方を棄てること」です。

従来のテストは紙媒体で同一日時に一斉テストをすることに最適化してこれまで改善されてきた仕組みです。それをPC上で行うというのは、短距離用に開発されたシューズでマラソンを走ろうとするようなものです。そもそも無理があるのです。

パソコンでテストを行おうとする以上は、従来の紙のテストとは一線を引いた新しいテストスタイルを新たに開発するという覚悟を持って臨む必要があると思います。

大学入試センターの皆さん、ぜひ頑張ってください。
自分も検討に加わってもよいですよ~(笑)

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