こんにちは。まさおです。
3/2、都立高校の合格発表がありました。コロナ禍で何とか乗り切った入試ですが、最後に志望する学校に合格できたのか、受験生は悲喜こもごもだったかと思います。
今回は「都立高校合格発表!最終倍率は?」というテーマです。
都立高校の合格発表数の状況は以下のリンクから確認ができます。
定員通りの合格者にならない都立高校
都立高校の最終倍率が他の地域と異なるのは、合格者数がもともとの募集人員数と少し異なって出てくる点にあります。
募集人員数より合格者を多く出すケース
たとえば、日比谷高校の場合、男子の募集人員数は132名ですが、合格者は142名と10名も多く合格を出しています。女子も122名の募集人員数に対し130名と8名多く合格者を出しています。
これは都立の合格発表により、上位の私立高や国立の補欠繰り上げが起こり、結果都立の辞退者も出るという受験生の循環のような現象が起こるからです。
例えば…
1.都立高校の合格により慶應義塾高校の辞退者が出る
2.慶應義塾高校が補欠合格者を繰り上げる
3.都立に合格した生徒に繰り上げが来て都立を辞退する
というような動きです。
一般的に都県立高校は合格したら入学するものというのが半ば不文律でしたが、都立高校、特に都立トップ校はここ10年くらいで水増し合格を出すのが普通になってきました。
男女の合格ラインを調整し男女どちらかを多く合格させるケース
また、男女で応募者数に差があり合格ラインにも差が出るケースにおいては、どちらかの性別の合格者をより多く出すケースというのがあります。
一般的に男子よりも女子の方が内申点がよいことが多く、当日の得点が同じであれば女子の方が高得点になるようです。
男子と女子で同点だった場合に、男子は合格、女子は不合格というケースが存在するため、男女ともに募集人員の9割までは得点順でとり、最後の1割は男女合計で得点の高い方を取るという調整を行うことがあります。
上記のような背景で、受検段階で発表される受検倍率と合格発表時の倍率が異なってくるということになります。
都立高校の最終倍率トップ5は?
それでは男女それぞれのトップ5は結局どこだったのかを確認してみましょう。
男子の最終倍率トップ5校
順位 | 学校名 | 募集人員 | 受検者数 | 受検倍率 | 合格者数 | 最終倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 三田 | 107 | 195 | 1.82 | 97 | 2.01 |
2 | 田園調布 | 88 | 152 | 1.72 | 80 | 1.90 |
3 | 豊島 | 115 | 214 | 1.86 | 115 | 1.86 |
4 | 戸山 | 132 | 250 | 1.89 | 136 | 1.84 |
5 | 深川 | 96 | 159 | 1.65 | 87 | 1.83 |
上記の表を見るとわかる通り、受検倍率段階では1.82倍だった三田高校が結果的に2.01倍で最高倍率になっています。
これは女子の応募者が多かったために男子の合格者を絞り女子の合格者を増やしたことによります。女子人気が結果的に男子の倍率も高めてしまっているという例です。
女子の最終倍率トップ5校
順位 | 学校名 | 募集人員 | 受検者数 | 受検倍率 | 合格者数 | 最終倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 三田 | 99 | 278 | 2.81 | 113 | 2.46 |
2 | 青山 | 120 | 271 | 2.26 | 123 | 2.20 |
3 | 上野 | 122 | 261 | 2.14 | 123 | 2.12 |
4 | 城東 | 122 | 239 | 1.96 | 124 | 1.93 |
5 | 竹早 | 86 | 169 | 1.97 | 88 | 1.92 |
女子トップの三田高校は受検倍率は2.8倍を超えたある意味異常値が出ていました。合格者を結局14名増やして最終倍率は2.46倍とやや緩和させたという状況です。
トップ5に入っている他の学校も女子の合格者を若干増やしてはいますが、三田高校ほどではありませんでした。
ちなみに全日制普通科(コース、単位制を除く)全体では、女子は男子よりも209名多く合格を出してもらっています。もともと都立の女子は倍率が高い傾向にありましたからこれによって男女間の倍率がやや近づいたということになります。
単位制・コース制は女子の合格者がさらに多い
下記のも何度か話題にしている通り、都立の男女別の定員はこのようにいろいろな影響を及ぼすのですが、男女別の募集人員を持たないコース制や単位制ではより女子の合格者が多くなる傾向があります。
学科 区分 | 男子 受検人員 | 女子 受検人員 | 合計 受検人員 | 男子 合格人員 | 女子 合格人員 | 合計 合格人員 | 男子 倍率 | 女子 倍率 | 合計 倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
コース制 | 128 | 266 | 394 | 113 | 228 | 341 | 1.13 | 1.17 | 1.16 |
単位制 | 1,157 | 1,477 | 2,634 | 878 | 1,084 | 1,962 | 1.32 | 1.36 | 1.34 |
コース制においては女子の合格者は男子の倍以上(応募も倍以上いますが)、単位制においても女子の合格者数は男子より200名ほど多いという状況です。
今年はコロナ禍で学校見学が十分にできなかったこともあり、イメージ先行で人気校の受験生が集中する傾向がありました。都立の高倍率入試は不合格者をたくさん出すので決して良い話ではありません。各生徒の実力に合わせた適切な学校に入れるよう、塾の進路指導も重要だと思います。
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