こんにちは。まさおです。
3/17、東京都教育委員会は都立高校の3次募集要項を発表しました。
3次募集を行う都立高校は全日制で51校と異例の多さです。
今回は「都立高校の3次募集」を取り上げます。
東京都立高校の3次募集について
東京都は3月17日3次募集の要項を発表しました。
詳細は以下のページからご確認ください。
一般的には都立高校は2次募集までで多くの学校の定員が埋まります。
3次募集は2次募集でも欠員が出た学校のみが実施する募集で、前年は全日制で22校331名、定時制で4校154名の募集がありました。
全日制 定時制 | 令和2年度 学校数 | 令和2年度 募集人員 | 令和3年度 学校数 | 令和3年度 募集人員 |
---|---|---|---|---|
全日制 | 22校 | 331名 | 51校 | 987名 |
定時制 | 4校 | 154名 | 7校 | 370名 |
合計 | 26校 | 485名 | 58校 | 1,357名 |
上記のように比較表にしてみると、今年の3次募集の多さがはっきりわかります。
学校数にして2倍、募集人員は2.8倍という状況です。
すでに多くの中学校が卒業式を終えていますから、この時期に受験をすること自体がなかなか精神的にもタフさを求められるところだと思います。
現在の進学先が本位でなければチャレンジする価値はあると思いますが、3次募集ですべての学校に応募があるとは思えず、多くの都立が欠員を抱えて新年度を迎えることになると思います。
3次募集がこれだけ出た背景は?
これだけの3次募集が行われている背景について確認をしておきましょう。
コロナ禍の影響が一番大きいと思われます。
新型コロナの影響で入試日程が不透明だった
私立高校の推薦は事前に入試相談を行い1月下旬に合否が決まります。
市立高校の一般入試も事前相談をしたのち、2月10日ごろに合否が決まります。
一方都立高校は1次募集でも試験が2月21日、発表は3月2日と遅く、コロナ禍で受験できなかった場合入試が長期化する不安があります。
そのため、早く合否が出る私立高校に受験生が流れたということがあります。
私立高校は一般的に都立高校に比べて、コロナの対応も丁寧であることが多く感染対策や安心・安全という観点からも支持を得ている学校が多いようです。
東京都内の私立高校は実質無償化となっている
私立高校は一般的に設備も整っている代わりに学費が高いというイメージがあると思いますが、都立高校は収入に応じて段階は尽きますが、実質無償化に近い支援制度があります。
世帯年収910万円までの世帯は授業料負担が約46万円ほど軽減されます。
これにより、都立高校よりも魅力を感じる私立高校があった場合は、私立高校進学を選択しやすくなっています。
コロナ禍で通信制高校も人気に
2017年度頃から、通信制を志望する生徒が少しずつ増えています。
不登校の増加や著名人が通信制高校に通っているといった報道などもあり、選択肢としての認知が高まっています。
今回のコロナ禍により、「学校に通う」ということ自体を改めて考え直す生徒も多かったと思われ、通信制高校を選択しした結果、都立高校の受験者が減っているという状況が生まれています。
入試の基本は早期受験・早期合格
過去に何度か触れてきていますが、入試の基本は早期受験・早期合格です。
出願も試験日も合格発表日も早い方がいろいろな面でメリットがあります。
試験日が遅くなればなるほど、万が一の事態(たとえば大地震や交通事故など)が起こった場合に、対応の選択肢が狭くなります。
その意味においては、都立高校の3次募集は都立高校に入るという1点のみの魅力で、その他はデメリットの方が多いように思います。
都立高校は税金で運営されていますから、1名でも多くの生徒に通ってもらわないと問題になりやすいです。一方で時代の流れで学校の在り方も変わっていくべきなので、今回の3次募集の増加によって学校の定員を見直すなどの動きがあってもよいと思います。
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