こんにちは。まさおです。
3/16、茨城県教育委員会は、県立石岡第一高校の入学試験で合否判定をするための集計作業にミスがあり、1名を追加合格にしたと発表しました。茨城県は入試のミス撲滅にかなり力を入れていますが、そういうところに限ってミスが連続して出てしまうという皮肉な状況になっています。
今回のテーマは「石岡第一高校の集計ミスの背景は?」です。
石岡第一高校の集計ミスの記事
3/16、茨城県教育委員会は石岡第一高校の入学試験で、採点後の集計にミスがあり1名を追加合格にしたと発表しました。
詳細は以下の記事で確認が可能です。
ポイントは以下の通りです。
- 採点後に得点分布を作成中、総得点と5教科別の得点合計が不一致
- 詳細を確認したところ、受験生1名の国語の得点が合計に加算されていないことが判明
- 合計点に加算したところ合格ラインを越えていた
- 集計作業は表計算ソフトエクセルを使用
- 何らかの原因で計算式に誤りが発生した
- 総得点の検算をせず、その後の確認も5人に1人の抽出調査しかしなかった
- 確認作業を怠った理由は「校長が十分と判断した」から
いろいろと突っ込みどころのある対応ですが、学校職員がエクセルで計算をしていたと言うところが最大の問題だと思います。
入試の合否判定が学校単位のエクセルで行われているのは、さすがに時代にあっていないように思います。
自治体側で入試業務支援ソフトなどを入れてあげた方がよいのではないでしょうか?
合否判定の作業は難易度の高い業務
そもそも論として、今の入試制度は大変複雑で、いろいろなところにミスをする難所のようなものがあります。
エクセルで正しく計算をするには、多くの人がかかわってテストを行ったものを使わないと危険だと思います。
エクセルは便利は反面、関数の正当性が個人の判断になってしまうことが多く、公に業務にエクセルを使う場合は関数設定にミスがないかを複数の目で必ず確認する必要があります。
合否判定業務を正しく行うためのポイント
少し学校側の目線になってしまいますが、合否判定業務のミスはどのプロセスに起こるかを考えてみたいと思います。
1.内申点の入力業務
茨城県では、学力検査の順位と内申点の順位を組み合わせて合否判定を行います。
最初の難所は、中学校から提出された調査書を正しく入力する業務です。
調査書自体が電子化されているか定かではありませんが、紙の調査書が学校側に送られてきているとなると、それが正しく入力されているかを複数の目でチェックしなければなりません。
2.採点業務
毎年問題になるのは、採点業務です。
茨城県はここにかなりのエネルギーを注いでいて、今年の入試問題も記述問題がほとんどないなど、採点ミス撲滅に躍起になっています。
それでも人の採点には限界があるので、二重のチェックと不合格者への答案コピー配布などといった現在の運用を徹底しておく必要があります。
3.学力検査得点の入力業務
学力検査がミスなく採点されたのち、それを正確に入力する業務があります。
個々の内申点の入力と同様で、答案の得点欄とシステムへの入力が正しくできているか複数の目でチェックをする必要があります。
4.合否判定
最後に合否判定です。
すべてのデータが正しく入力されたのち、自治体や学校が設定した合格者抽出のロジックで誰が口角で誰が不合格かを判定します。
その際に、学力検査得点:内申点を相関表で見たりする処理が行われます。今回の石岡第一高校はここの処理をエクセルで行っていたと思われますが、情報管理や正確性の観点からは属人的になりがちなエクセル処理はあまりお勧めしません。
今回のミスで、このエクセル表を作った方はかなりのダメージを受けているでしょうし、その人個人の問題になるような空気が学校内に流れていなければよいのですが…。
いずれにせよ、入試業務を支援するシステムの導入を自治体側が責任を持って検討すべきです。
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