【ミスリードに注意!】デジタル教科書で目の疲れ4割の罠

デジタル教科書で目の疲れ4割の罠教育に関する政策
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
デジタル教科書の実証実験の成果報告によると、デジタル教科書を使った中学生の4割が以前に比べて目の疲れや昼間に眠気を感じたりするようになったそうです。
これでデジタル教科書にブレーキをかける動きもありますが、大人はもっと画面を見ているようにも思えます。本当にブレーキをかけるべきでしょうか?
今回のテーマは「目の疲れとデジタル教科書活用のポイント」です。

目の疲れとデジタル教科書活用のポイント

◆文科省が行ったデジタル教科書実証実験結果
小学校中高学年と中学生は4割が目の疲れなどを感じていると報告
⇒一方で週に60分以上デジタル教科書を使う教員は2割弱
◆誰でもデジタル機器を使えば目が疲れる
健康被害を恐れてデジタル教科書を敬遠するのは本末転倒
⇒デジタル教科書の利用ポイントを明確にすることが重要

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デジタル教科書利用による健康不安

6/22の読売新聞に「デジタル教科書使った授業、中学生ら4割で「目の疲れ」…「昼間に眠く感じる」も4割」という記事が出ていました。

  • デジタル教科書を使う小学校高学年や中学生の4割が目の疲れを感じる
  • デジタル教科書を週に60分以上使う教員は2割弱
まさお
まさお

これだけ見ると、デジタル教科書を使いと目の疲れが増すように見えますが、実態はどうもそうではなさそうです。

文部科学省の調査報告資料

文部科学省の調査報告は以下のページで確認ができます。

目が疲れる生徒の割合

(その2)の資料の391ページに中学生の調査報告のグラフが掲載されていました。

これを見ると、上から4段目の「授業前より目が疲れる」の「そう感じる」「ややそう感じる」の合計が45%程度となっており、記事の通りということになります。

デジタル教科書導入時期と自覚症状

一方で、この調査をさらに深掘りして、デジタル教科書の導入時期と自覚症状が出始めた時期のクロス集計を見ると以下のような表とグラフが報告されています。

このグラフを見ると、中学生が目の疲れなどの自覚症状を感じたのは、導入時期に関わらず、「1月前より最近」で最大割合を示しています。

これは、「聞かれれば確かにそう感じるかも…」という誘導的な要素を含んでいることを示唆しています。
さらにいえば、デジタル教科書以外に普段使っているスマホやゲーム機の影響もあるはずです。

これをもとにデジタル教科書を使うと4割以上が目の疲れを感じるというのは、一部の情報を都合よく編集した記事に見えてしまいます。

まさお
まさお

現在の調査では、デジタル教科書を使ったことで目の疲れを感じている生徒が一部にいるのは事実だと思いますが、それが4割以上に達しているかというのは、もう少し丁寧な調査が必要ということだと思います。
人間は数字を具体的に示されると、急に信憑性を感じ始めるところがあるので数値の扱いには中が必要だと思います。

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紙とデジタルの使い分けこそが研究対象

過去にも何度かこのブログに書いてきていますが、この議論の本丸は「紙の教科書とデジタル教科書の使い分けをどこで行うか」ということだと思います。

デジタル教科書によりメリットは、動画などのインタラクティブコンテンツが組み込めることやコントラスト表示などのアクセシビリティに優れていることなど、様々な点が指摘されてきています。

一方で、授業をより理解度を高くしたり、興味関心を引いて生徒が楽しく授業に参加できるようにするには、教師の言動も含めて授業の総体としてどこに気を配っていくべきかという点はなかなか明らかになってきません。

紙の教科書よりもデジタル教科書の方が明らかに効果が高い単元や学習項目というのは、必ず存在していると思います。
そこがどこなのか、なぜなのか、といった点を教師個人の知見ではなく、学校教育現場全体の総意としてまとめていく工程が必要だと思います。

まさお
まさお

デジタル教科書の利用方法の標準版をまずは作り、それを現場に展開してその流れをベースに改訂や自治体単位のオリジナルの指導方法に派生させていくことが必要だと思います。
教科書会社が主導すると、採択率の観点なども入って、純粋な教育効果にフォーカスしづらくなるので、指導者が主導して進めることが重要だと思います。

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