【やはり無理がある】国私立中生の都立高校入試スピーキング対応

国私立中生の都立高校入試スピーキング対応教育に関する政策
スポンサーリンク
まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
9/8、東京都教育委員会は、国私立中学に在籍する中学生の中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)対応について発表しました。原則受検は不可で、不利にならない対応をするというもので、制度上の無理が改めて露呈しているように見えます
今回は「都立高校スピーキングテストの国私立在籍中学生対応」を取り上げます。

国私立中在籍者のスピーキングテスト対応

◆原則受験は不可
⇒中学校英語スピーキングテストは都内公立中学生を対象としているため受験不可
⇒都立高校受験に活用したい希望者は受験を可能とする
受験をしていなくても不利にならないように対応する
◆受けても受けなくてもよい不可解
⇒受けなくても不利にならない措置は、受けていないのに有利になる対応である可能性

スポンサーリンク

東京都教育委員会の発表

まずは東京都教育委員会の発表を見てみましょう。
以下のリンクから。

要点は以下の通りです。

対象者

  • ESAT-Jは都内公立中学校の生徒を対象とした到達度テストであり、国私立中学校に在籍する生徒は、原則受験対象とならない
  • 国私立中学校に在籍する生徒で、ESAT-Jを受験していない生徒は、都立高校入試で不利にならないように措置をする。
  • 都内国私立中学校に在籍する第3学年生徒及び東京都在住の都外国私立中学校に在籍する第3学年生徒で、ESAT-Jの結果を都立高校入学者選抜に活用したい等、必要な場合は受験を可能とする
  • ESAT-Jを受験した生徒は、結果を調査書に記載し、入学者選抜で活用する。

スケジュール

(1)日程[1]

申込期間:令和4年9月13日(火曜日)~10月10日(月曜日)
実施日:令和4年11月27日(日曜日)
結果公開(WEBによる):令和5年1月12日(木曜日)

(感染症罹患等の理由により実施日に受験できなかった場合の予備日)
実施日:令和4年12月18日(日曜日)
結果公開(WEBによる):令和5年1月26日(木曜日)

(2)日程[2]

申込期間:令和4年10月17日(月曜日)~11月25日(金曜日)
実施日:令和4年12月18日(日曜日)
結果公開(WEBによる):令和5年1月26日(木曜日)
※日程[2]で受験できなかった場合の予備日対応はありません

受験料

無料

まさお
まさお

学校でのスピーキング指導の到達度を確認するためのテストを入試に持ち込んだことで、都内の公立中学校に在籍していない生徒に無料でESAT-Jを受けてもらえる体制を敷くことになってしまいました…。
教育委員会の方はこれでよいと強弁されると思いますが、これでよいとはなかなか思えないところもありますね

スポンサーリンク

受けなくてもよいテストは入試にできない

都立高校入試にESAT-Jを導入する件について、これまで様々なところから疑問を呈されてきました。

今回の都内の公立中に通わない生徒への対応は完全に企画としての無理が露呈した感じがします。
主には以下の点が問題だと思います。

  1. 事前受験制のテストで受験不可能な生徒を認めている点
    ⇒受験しなくても不利にしないという対応は、試験をたまたま受けられたか否かで有利不利が変わってしまい、受験生にとっては不公平感が残る対応になる
    ⇒受験していない生徒のスコアの算定の仕方が、スピーキングの実力と無関係なところで決められることも不公平感を感じさせる
  2. 都立高校の受験生にどんな生徒がいるかを事前に想定しきれていない点
    ⇒今回の国私立中生への対応などは、後から指摘されて気づいた感が満載。
    ⇒後付けの制度設計でありながら入試として成り立たせざるを得ないため強弁している感が強い。
  3. 共通テストのスピーキング導入がなくなったのに制度を変更しなかった点
    ⇒英語4技能評価は素晴らしい取り組みだが、制度上の無理から共通テストはどうニュを見送った。
    ⇒都立入試もその段階で見直しが入るべきだったが、そのまま強行したことで制度上の不備が後から見つかる事態になってきた。

教育委員会の担当者としては、素晴らしいアイデアだと思ってスタートさせたのでしょうが、ここまであと付でいろいろな対応が出てくると、同時性と公平性が重視される学力検査入試にはやはり向いていないということになるでしょう。

内申点の一部に加えればよかった

ESAT-Jの対応はどうすれば良かったのでしょうか?

話は簡単で、英語の調査書点に包含してしまえばよかったのです。
英語の成績は中間テスト・期末テストを中心に、授業中に課されるレポートや授業中の態度などの観点が評価されます。

その評価項目の一つにESAT-Jのスコアを入れ、全てを勘案して英語の調査書の評定を付ければよいのです。

それを、存在感をアピールしたいがために、英語の評価の外に独立して持たせたことで制度的な矛盾がかえって悪目立ちする形となってしまいました。

次年度以降も入試に使いたいのであれば、このあたりの制度の微調整を加えるとよいと思います。

まさお
まさお

方々から様々な批判を受けてしまっているESAT-Jですが、取り組み自体には大きな価値があるものだと思います。
今の時代、すぐに100点満点の制度を作るのは難しいのですから、反省すべき点を謙虚に反省して、どんどんバージョンアップさせていくべきだと思います。
今年はやめた方がよいと思いますが、もう今から後戻りはできないのですよね。
東京都の公務員は優秀な人が多いと思いますが、冷静な判断が求められると思います。

コメント