コロナ禍で学校に行きたくない子ども3割 ~ストレスの背景~

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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
12/1に国立成育医療研究センターが「第3回 コロナ×こどもアンケート」の結果を公表しました。

小中高校生のコロナ禍におけるストレスに関する示唆が豊富な内容です。

今回は「コロナと子どもたちのストレス」について取り上げます。

コロナと子どもたちのストレス

◆子どもたちのストレス反応は10月に入っても減っていない
⇒4~5月の第1回が75%、6~7月の第2回が72%、9~10月の第3回が73%
⇒第2波のピーク後であっても、学校生活の変化が継続してストレス反応を引き起こしている可能性がある。
◆コロナでテレビやスマホを見る時間が増える傾向
⇒1時間以上テレビやスマホを見る時間が増えたと解答した保護者が41%

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国立成育医療研究センターの調査

まずは、国立成育医療研究センターのアンケート調査を確認してみましょう。
以下のリンクから元資料の確認が可能です。

第3回調査報告書「コロナ×こどもアンケート」 | 国立成育医療研究センター
2020年9月1日から10月30日の期間に第3回アンケートを実施

同センターのホームページにて第1回・第2回のアンケート結果も閲覧可能です。

まさお
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このアンケートは3月のコロナによる学校休校後の4月から継続的にアンケートを取り続けているところに意義があります。毎回対象者が違うので、同じ母集団のアンケートとして見られないところが注意ですが、時系列で意識の変化が見えることは意義深いと思います。

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ストレス反応は変化していない

新聞等でも報道されましたが、どうアンケートで特に注目すべきは子供たちのストレス反応の時系列の変化です。いくつかの項目について見ていきたいと思います。

精神的健康:ほぼ横ばいで改善傾向になっていない

学齢別に「精神的健康」の平均を比較すると以下のようになります。スコアが高い方がストレスが少ないとしてみてください。
※アンケート結果調査では27ページの記述をご参照ください。

学齢第1回平均
(4~5月)
第2回平均
(6~7月)
第3回平均
(9~10月)
小1~375.077.078.5
小4~673.474.177.1
中学生69.772.170.5
高校生67.065.967.8

全体的に数値はほぼ横ばいを示しています。特に中学生は第2回よりも第3回の方がスコアが低くなっており、現在の状況下で何かが解決に向かっているわけではないことを示唆しています。

自尊感情:前回よりも全学齢で低下

自尊感情も過去3回のデータを比較すると以下のようになっています。

学齢第1回平均
(4~5月)
第2回平均
(6~7月)
第3回平均
(9~10月)
小1~362.469.465.6
小4~655.962.057.2
中学生48.451.143.9
高校生41.347.342.1

全学齢で自尊感情は前回よりも低いスコアとなっている。母集団が異なるので注意が必要ではあるが、全体傾向として自尊感情が高まる状況ではなさそう

学校に行きたくない

最近1週間で学校に行きたくないと考えた子どもの割合は以下の通りです。

学齢第3回平均
(9~10月)
小1~329%
小4~631%
中学生32%
高校生37%

この結果だけだと、コロナが原因かがはっきりしないのですが、全調査対象の30%が学校に行きたくないと考えているというのは、かなり大きな数字だと思います。

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生活の変化や子どもへの背景説明の不足

上記のような精神的健康や自尊感情への影響の背景にはどんなことがあるのでしょうか?
心の問題は一概に理屈だけで断ずることはできないのですが、このアンケートを見ていく中で意識した方がよいことがいくつかあるように思います。

それは「子どもたちへの大人の説明姿勢」です。
たとえば、コロナの影響で学校行事を中止とする場合に、その背景やそれによる代替の対応などを大人がきちんと議論できておらず、「とにかく中止だからそのように理解せよ」的な説明をしていないかということです。

本旨量のP16にある「学校生活(授業・宿題・行事など)を変える理由をわかりやすく教えてくれる」という質問に対する回答では、7%が「全くない」、23%が「ときどき」「少しだけ」と子どもたちに解答されています。
全ての子どもの3割が説明不足だと回答しているのですから、大人の努力不足は否めないと思います。

いくつか、子供たちのアンケートを引用してみます。

どうしてコロナにかかる人が0になってないのに、制限解除とか、大人だけ旅行やご飯を食べる事をがまんしなくていいのか分かりません。子供だけ(学校だけ)がソーシャルディスタンスを守らなきゃいけないの? (小学6年生・男児/茨城県)

学校の感染対策が不安 先生が授業中にマスクあごにずらしたまま授業したり、体育ではマスクできないのにバスケしたり、部活も(高校1年生(15歳相当)・女児/群馬県)

学校の勉強が早くて辛い もう一年かけて勉強したい 受験までに暗記できるか不安(中学3年生・女児/岐阜県)

大人が自分の都合を押し付けていることを子どもたちが察知してしまっている感じが伝わってきます。「大人の都合」でいろいろ動いているのは事実なのですが、その背景を丁寧に説明してあげることが重要なのではないかと思いました。

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