【高校入試】都立・公立高校200字前後の作文の短時間での書き方

作文表現力をつける
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公立高校や都立高校の入試で出題される作文。他の問題に比べて配点が多い割に自己採点が難しく厄介者扱いされています。

ところが、作文は型さえしっかりとできてしまえば、得点源になる美味しい問題でもあります。

この記事では、200字作文を攻略するツボを伝授します。

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ステップ1 過去問題を見て出題パターンを把握する

都立高校や県立高校の入試問題は出題形式がほぼ固定されています。作文対策のスタートは過去問題を見てどんな出題になっているかを確認することです。

一例として、2019年度の都立高校共通問題を見てみましょう。
以下のリンクから国語の問題を見てください。9ページ大問4の問5に作文が入っています。

平成31年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答表|東京都教育委員会ホームページ
東京都教育委員会のホームページ。事業内容、入試、都立学校、教職員採用、教員免許、生涯学習などの情報をお伝えします。

都立高校は本文の内容を踏まえて、自分の考えを書くという形式で、少し独特の内容です。

ちなみに他県で埼玉県を見てみるとこんな出題です。

ホーム - 埼玉県立総合教育センターホームページ
CMS,Netcommons,NetCommons3,CakePHP

埼玉はリンクページの下の方に問題のPDFが出ています。
13ページに大問5として独立して出題されていますね。内容もグラフを見て自分の考えを書くというオーソドックスな出題です。

自治体単位で出題内容はほぼ決まっているので、必ず過去問題を見て形式を理解する。
例)東京:論説文を読んで、その文章内容を踏まえて、自分の意見を書く
  埼玉:グラフを見て自分の意見を書く
※どちらも自分の意見を書く点は共通。
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ステップ2 文章構成は試験前に決めておく!

このように都県単位で出題内容は事前に分かりますから、文章構成は事前に決めておき、書く内容を当日の出題に合わせて調整するのがよいでしょう。

また、文章構成自体もそれほどパターンがあるわけではありません。

王道として、以下の2パターンくらい知っておくと良いでしょう。

200字程度の作文の方は以下の2種類知っておけば十分
①自分の意見→理由や体験→再度自分の意見
②自分の意見→理由や体験

①は意外と字数が足りなくなるくらいすぐに書ける。字数が多い人は②の型がよい。

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ステップ3 試験当日与えられた題材から構成にはめるネタを考える

構成を決めたら、与えられた題材からどんなネタをで書けばよいかを考えます。
ネタの探し方は後で捕捉をしますが、あまり頭を固くしないで柔軟にいろいろなアイデアを出してみることが大事です(ブレーンストーミングといいます)。

ここで大事なことは、ネタを考えるだけで書き始めるわけではないということです。
まだ書き始めてはいけません。準備が終わっていませんので。
皆さんも経験があると思いますが、思いつきで書き始めると後で悲惨なことになります。

行き当たりばったりの作文は後で行き詰まり、何行もまとめて書き直す可能性があります
試験時間は限られていますから、一発で納得のいく文章にするために、事前の設計が大切です。

次の項で設計の作り方を実例で示します。その後に作文を書いてみましょう。

ステップ4 構成に沿って作文を書く

では、手順に沿って構成を整理してみましょう。
例として、都立高校の2019年度を題材に採ります。

手順①出題内容の確認
この問題で示されている素材文では以下のようなことを言っていました。

アーティストは自分のフィルターを通して、アートを作り、見る人に示してくれる。
見る人はその作品を通して自分の持っていた概念に新しい要素を加えて気づきをもたらしてくれる。
アートは制作する人だけでなく、鑑賞する人にもその創造的作業を促す。

また、問5の設問ではこんなことを条件として与えられています。
内容を考えるポイントとなる条件は太字にしておきます。

国語の授業でこの文章を読んだ後、「新しい『何か』に出会うこと」というテーマで自分の意見を発表することになった。この時にあなたが話す言葉具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。なお、書き出しや改行の際の空欄、 、 。 「 などもそれぞれ字数に数えよ。

手順②中心となるネタ探し
ネタ探しのコツは次の項目でも取り上げますが、自由に考えた方が良いです。複数案を出して、一番うまく書けそうなテーマを決めます。

今回の題材は「新しい何かに出会うこと」ですが、文章にあったように全く新しいものというよりも、すでに知っていたものに新しい見方を加えられて気付きを与えられた出会いとなります。

何か思いつきますでしょうか?
自分の脳みそをフル回転させて(笑)、1分以内にネタを2~3出せるくらい頑張りましょう。

例1 自分が悪く思っていた友達の良い面を別の人が教えてくれて、その友達の見方が変わった
例2 自分が苦手だった食べ物と、母がとてもおいしく調理してくれて、食べられるようになった
例3 自分の見慣れた街を撮った写真を見せられて、自分の町のよさを再発見した

では、例1を題材として取り上げてみましょう。

④段落構成に当てはめてみる。
「結論→体験とその理由→結論」という構成を使う場合、各段落の目安となる文字数は、
結論30〜60字 → 体験と理由80〜140字 → 結論30〜60字
となります。
最初と最後はほぼ同じ内容で良いので、結論と体験・その結論になる理由を考えればよいことになります。

第1段落…結論の提示
第2段落…結論に至る自分の体験
第3段落…結論の再提示・まとめ

こんな書き方にすると200字はかなり字数的には短く感じられます。
以下、作文例です。

色々な人の作文を読むことも作文上達の近道です。
学校や塾の先生にも作文例を紹介してもらうとよいでしょう。

得点を取るうえで内容以上に大事なこと

作文の採点はほとんど減点法で行われます。
減点ポイントは主に以下の通りです。
①本文の内容に沿っていない作文
②条件にある体験や見聞が入ってない作文
③行数が足りていない、または、字数オーバーしている作文
誤字や脱字、原稿用紙の使い方が間違っている

などです。
ここで注意しないといけないのは④です。慌てて感じを間違う原点は意外と多く、もったいないです。
逆にめちゃめちゃ内容が薄くてつまらなくても、本文に沿っていて、字数が足りていて、漢字や原稿用紙の使い方に間違いがなければほぼ満点が取れます(泣)

【補足】ネタ探し(アイデアだし)のコツ

以下は補足です。問題の内容に合わせて作文でどんなことを書くかを考えることは意外と面倒くさいと思います。
多くの作文問題では、「体験や見聞を踏まえて」とか「自分の経験を盛り込んで」といった条件が付きます。
ですから、経験を入れないと点数が来ないのが厄介です。

これは大きな声では言いづらいですが、ここでいう経験は自分が実際に経験したことである必要はなく、友達から聞いた話を自分の経験として書いたり、本で読んだ内容を自分の経験として書くことは全く問題ありません

発想を柔軟にして、与えられたテーマに関連して連想できる言葉を問題用紙の余白に思いつくままにできるだけたくさん書き出して、ネタにできそうなものを取り上げるのがポイントです。
採点する人しか読まない作文なので、恥ずかしがる必要はありません。
正々堂々とネタを作っていけばよいのです。

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