都立高校推薦入試の作文で出題ミス! ~全員一律に得点~

高校入試
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
2/2は都立高校推薦入試の発表日でした。今年は新型コロナウイルスの影響でWebでの発表となりました。
今年の都立高校推薦入試で作文の出題ミスがあったそうです。

今回は「都立高校推薦の出題ミス」について取り上げます。

都立高校推薦入試の出題ミス

◆都立東大和高校の推薦入試作文問題に出題ミス
⇒作文問題(1)において、100字以内という指定に対し解答用紙が80マスしかなかった
⇒当該問題について一律に24点を全受験生に与えるという対応
◆一律に得点を与えると一部の受験生は不利になる
⇒影響は軽微も残りの問題の全配点に占める割合が変わるため、作文が苦手な子が有利

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今回の出題ミスはお粗末としか言いようがない

過去の記事で入試における出題ミスはなくすことは不可能ということを書いて来ましたが、今回の出題ミスはどう見てもお粗末としか言いようがありません。

問題側で100字以内という字数指定をしているにもかかわらず、解答用紙が80マスしかないというのは、誰もチェックをしていないということの現れです。

テスト問題の作成というのは、一般的に問題用紙の側にエネルギーの大半を割きます。出題内容に条件不備があってはいけないとか、別解があると解答が一つに絞れなくなるとか、そういう部分に神経を使うのはよくわかります。

一方で、解答用紙は作問ほどの高度な知識や技術は求められないものの、受検生が自分の解答を迷わずに書けること、採点者が採点しやすいこと、得点集計にミスが起こりにくいことといったいくつかの要件があり、それを満たす解答用紙を作れるかというのも実は大事な要素です。

今回のミスはそのような高度な技術以前の、指定字数と同じ数だけのマス目を用意するというレベルでした。100字ですから、20字のマスを5行でよいわけで、ちょっと意識が向いていれば容易に確認ができる内容だと思います。

何人の人が作問に携わっているかわかりませんが、解答用紙に不備がないかを最終的には誰もチェックせずに通してしまったように思います。
これでは受検生がかわいそうというものです。

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合否に影響が出ないように一律に24点を与えるのは公平か?

出題ミスがあった場合によくある対応として、その問題が合否に影響しないように全員に一律に得点を与えるということがあります。

今回のケースも全受験生に一律に24点を与えるという対応を取りました。
これは果たして公平なのでしょうか?

東大和高校の推薦入試の合否判定は以下の資料が使われました。
(  )内は全配点に占める割合です。

・調査書…450点満点(50.0%)
・面接…240点満点(26.7%)
・作文…210点満点(23.3%)
・合計…900点満点

この210点の作文に対して、全員に24点が与えられました。
よって、実際の合否判定は以下のような配点になったということになります。

・調査書…450点満点(51.4%
・面接…240点満点(27.4%
・作文…186点満点(21.2%
・合計…876点満点

上記の通り、作文の占有割合が2%ほど下がっていることがわかります。
全体に配転における影響は軽微ではありますが、公平というわけではないということです。

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学校独自の出題が増えるとミスも増える

今回のようなあからさまなミスは珍しいのですが、問題側で条件が足りなかったり別解があったりといった出題ミスは毎年なくなることはありません。

これ自体は、少ない人数でオリジナルの問題を各学校が独自に作ろうとすれば必ず直面する問題です。入試問題は秘匿性が高いため、不用意に多くの人に見せたりチェックをしてもらったりといったことができません。そのため、少ない作問チームでは問題ないと思われたものがいざ入試本番で出題されると多くの受験生の意外な解答から出題側の不備に気づかされたりしてしまうものです。

構造的にこの問題は回避できないので、独自の問題を減らして共通問題に寄せていった方が出題精度は高いものになっていくということになります。

まさお
まさお

受験生側は出題ミスがあろうがなかろうが、目の前の問題に全力で当たるしかありません。おかしな問題にぶつかった場合は、明らかにおかしい場合を除いて後回しにするのがセオリーです。最後に時間が余って対応可能でしたら試験監督に出題に関する不備の可能性を相談するようにしましょう。

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