こんにちは。まさおです。
総合型選抜の面接が進んでいる中、全国高等学校長協会が10/22、文部科学省に対し、大学側のオンライン面接が高校側の負担や受験生に不利にならないように求めた文科省の要請に応えていないとして完全を求める要望書を提出したそうです。
今回はコロナ時代の「オンライン面接はどうあるべきか」について取り上げます。
大学入試におけるオンライン面接は継続されるべきか
コロナ禍でやむを得ずスタートしたオンライン面接ですが、入試の現場に限らず世の中のリモートワークが進む中、オンラインでの面接が一気に一般化している状況があります。
このままオンラインでのコミュニケーションが広まることを考えると、入試の面接がオンライン化されるのは必然と考えるのが正しいと思います。
2021年度入試に限らず、面接試験のオンライン化は継続して実施されると考えるのが自然ですし、そうあるべきだと思います。
就職の面接もそうですが、オンラインで対応できるものがこれからどんどん増えていくはずです。学校だけがその流れに乗れないのは、自治体や学校側にその流れに乗ろうとしない負の力が働いていると考えるべきです。
大学入試のオンライン面接の通信環境確保
大学入試のオンライン面接は通信環境などに確かに気を使います。
一般的なZoomを使ったオンライン面接であれば、受験生側に必要な帯域はだいたい2~3Mbpsと言われています。普通のスマホの4Gの回線があれば十分成立するレベルです。
受験生が自宅にオンライン面接用の環境を整えられないケースがあるとするとPCやiPadなどの面接試験用の機材がそろわないケースが多く、回線の問題は少ないのではないかと思います。
一方で高校側の環境はどうでしょうか?
通信回線は有線LANがあるのが普通でしょうし、Wi-Fiが設置されている学校も多いと思います。一度に受験生が何人同時に面接試験をやるかわかりませんが、高校側が「面接会場に高校を指定するのは負担があり難しい」というのは、受験生側に対する配慮を欠いているように思います。
高校側・全高長が面接の場所を提供するのが難しいというのであれば、なぜ難しいかをきちんと資料をつけて説明をした方がよいと思います。面談ルームに1台PCやiPadを置けばよいだけの話で、それをするだけの費用はさすがにあるはずです。
文部科学省側のミスリードもあるのでは?
今回、全高長がわざわざ要望書を文部科学省に出したのは、文部科学省が「通信断を理由にオンライン面接を打ち切っていけない」という通知があったからです。
文部科学省が本当に手当てをすべきは、「通信断を理由に打ち切ってはならない」という通知ではなく、「通信断が発生しないように高校側が受験生を支援するように」という通知であるべきでした。
高校側も今後オンライン面接が続くことを想定し、オンライン面接部屋を1~2部屋用意しておいたほうがよいでしょう。来年以降、コロナのワクチン等が開発されたとしても、高校を会場としたオンライン面接の可能性は十分あると考えるべきです。
高校側は自分の学校に在籍する生徒がいつどの大学を受験し面接試験をどこでやるべきかを把握しているでしょうか?
塾では担当生徒の試験日・試験会場・試験日の時間割・合格発表・入学手続きなどのデータは当然管理するのですが、「高校は受験のための機関ではない」などといって、担当制の受験を最後まで見ない先生もいるやに聞きます。
大学側も高校に丸投げでよいかは検証が必要
大学側の対応についても一考の余地はあると思います。
オンライン面接の知見がない中で、急遽実施が決まったため決定する側も混乱している可能性もありますが、面接のツールの選定とその面接に参加するために必要な要件を受験生に明示した方がよいです。
あくまで個人の感想レベルですが、たとえば、オンライン面接を安定して行うのであれば、やはりZoomの一日の長ががあるように思います。通信帯域の使用量と通信の安定感はZoomが一番優れているように見えます。
一方で、現段階ではGoogle Meetは音声も途切れがちで面接という場のツールとしては不適切な感じも受けます。
いずれにせよ、大学側がどのようにオンライン面接を実施するかを検討する過程で、知見のある人の指導を仰ぎながら受験生や高校側に分かりやすい面接環境の提示をする義務があると思います。
コロナ禍で一番追い詰められているのは受験生なのだから、文科省・大学・高校、つまり大人の側がきちんと受験生を救済する方法を責任を持って考える必要があるはずです。
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