こんにちは。まさおです。
11/7の毎日新聞に「文科相様、対面減少は本当に危機的? 遠隔授業、学生には好評」という見出しの記事がありました。遠隔授業が学生には思いのほか好評だというのです。一方で文科省は対面が5割未満の大学を公表するという発表も。
今回は「大学のオンライン授業の評価の背景」というテーマを取り上げます。
過去にもオンライン授業を悪者扱いしないようにという記事を書きました。参考までにリンクを張っておきます。
遠隔授業は実は評判がよいという事実
まずは毎日新聞の記事を確認してみましょう。
記事の全文は有料会員にならないと読めませんが、ポイントは遠隔授業の評判は思いのほかよいという事実です。
10/16に萩生田文部科学大臣はオンライン授業が5割を超える大学について、学生の満足度調査などを行いその結果を大学名とともに公表するという趣旨の発言を記者会見でしています。
対面授業を5割以上にせよという圧力ともとれる発言で、大学側も困惑を隠していません。
また、海外ではオンライン授業が当たり前になりつつあるのに、日本だけ逆行するような動きでよいのかという疑問もあります。海外の調査でもオンライン授業と対面授業では学習成果に差はないとの結果もあり、学力上位層を中心にオンラインの意義は定着しつつあります。
1年生と2年生以上で異なる評価
全般的にはオンライン授業の評価は低くないのですが、学年別にみると少し差が出て来ます。
例えば、城西大学はオンライン授業アンケートの結果をネット上で公表しています。この結果をベースに少し考えてみましょう。
これを見ると、後期の授業を対面でやった場合にぜひ大学に行きたいかという質問に対して、1年生と2年生以上では以下のような結果になっています。
大学1年生と2年生以上では、後期大学の対面授業再開時に大学に来て受講したいかという質問に対し、「あまりそうは思わない」という回答の割合が異なっています。
大学1年生はやはり大学に行ってみたい。すでに1年以上通った大学2年生以上の学生は「あまりそうは思わない」という回答が最頻値となっています。
つまり、文部科学省が心配している対面授業による友達関係などが大きく影響しているのは、入学前にコロナが始まってしまった1年生に多く見られる傾向で、2年生以上はオンライン授業で特段大きな問題はなさそうということになります。
オンライン講義の有効活用が求められる
上記のような現状を見ると、オンライン授業を悪者扱いするのはやはり問題だということになると思います。むしろ、オンラインで十分成果が期待できる科目はオンラインにし、対面型でないと目的を達成できないタイプの授業は、早々に対面型にするというメリハリが重要だということになります。
今後オンライン授業による成績評価などもついてくるでしょうから、対面型とオンライン型の講義による成績評価の差なども浮き彫りになってくると思います。
大人数の一斉講義型をオンラインにシフトし、50名以下の少人数クラスやゼミなどは対面型にするなど、オンラインと対面の授業の特性を把握して、各講義の特徴に合わせた手法を選ぶという整理が求められると思います。
コメント